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| 2004/3/29 |
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『ニシノユキヒコの恋と冒険』
著 者:川上弘美 出版社:新潮社
発行日:2003年11月 本体価格:1,400円
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ニシノ君がどれほど男前な奴かは知らないが、女心が男にわからぬように、女にも男心はわからぬものである。(であって欲しい・・・)
正直、男の私がこの本を読んでも、どうなるもんでもないでしょうが、まぁ、こんな機会(スタッフ皆での回し読み)でもないとこのような本を手に取りづらいのは確かで、まぁとりあえず、読んで見るかとページを捲る重たい手を進めた次第でした。
ニシノ君は、皆さんの周りにもいるんでしょうか。どういう男が女にモテるのかはよくわかりませんが、まぁ、少なくとも私がニシノ君ではないことは確かですね。モテたいなんて言葉も、ここ数年、とんと言わなくなりましたし、美しい恋愛というのは、幻想のような気もしてます。
男の私から言わせてもらうと、彼の肖像は女性の憧れのように思います。物語の中で何人もの女性に描かれる彼の姿には、彼そのものの姿よりも、愛された女達の強く卑しい欲望と言ったら言いすぎでしょうか、永遠や、無償の愛という形でもなく、終わりある恋の儚さの中の自分に美しさを映している、一種の押しつけの恋愛という形の妄想にも感じられました。でも、実はそこにいる彼女らはとても美しいんですよね。
男は、女性が思っているよりも、ずっとずっとナイーブで傷つきやすいものなんだと思うのですが、実際、そういうところをわかって欲しいんだけど触れて欲しくない、みたいな、微妙なところもありまして、そういう部分があるのをわかって、やさしく包んでくれるような優しさが男にとっては、居心地のいい場所になるのでしょうか。
男の幸せは嘘つきの女に死ぬまで騙され続けることだ、と言った人がいました。迷い悩む男には、嘘でもこうと言える強さの一言が鍵となり、1歩どころか100歩前進することもでき、そういう一言があればニシノ君も救われたような気がします。あぁ、偉大なる女性たちに感謝。 |
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【楽天ブックススタッフ 尚】 |
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