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| 2004/3/31 |
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『ニシノユキヒコの恋と冒険』
著 者:川上弘美 出版社:新潮社
発行日:2003年11月 本体価格:1,400円
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「1冊の本を語り合う企画」も本日が最後となりました。読書日記も本当にラストの日です。本書について語ることは、自分の恋愛観を語ることにもなったツラクタノシイ企画となりました。もっともっと多くの方の意見を聞いてみたかったです。みなさんはニシノくんを好きですか?嫌いですか?
ニシノくんはモテ男です。モテるのにフラれます。その大きな理由は「きちんと女の人を愛せない」から。本書ではニシノくんと付き合った10人の女の人たちがニシノくんを語る…のですが、とにかく女の人はみんな強いです(笑)。それぞれの強さの種類は違うけれども自分の居場所をしっかり持っていて、自分のスタンスがハッキリしている人ばかり。それにひきかえ、わりとニシノくんだけが頼りなくふわふわしているように思えます。そして私から見るとそんなニシノくんは、じれったくて仕方ありません。お酒の席で一緒になったら「何が欲しいのかもわからないから居場所がなくなるんでしょー」とよけいな一言をうっかり言ってしまいそう…。と、ある出版社の方とお話していたら「そんなこと言って、実際口説かれたら意外と好きになっちゃうかもよー」と言われました。まぁ…ニシノくんは口説くのは上手でしょうねぇ。
では実際私の周りにニシノくんに似ている人がいないか探してみました。(著者の川上弘美さんも最初の段階では“モデルがいた”と語っていましたし…。)あ!いました、いました、ニシノくんタイプのモテ男。いつも女の子の影が複数あって、まったく悪びれなくて、キザなことも似合う人。その人はニシノくんみたいに「どうして僕はきちんと女のひとを愛せないんだろう」と悩む前にすでに諦めている感じがあり、その理由にはトラウマがありそうで…。でも“自分が彼を変えられるかも”といった女性がいつも彼の周りにはいた気がします。やっぱりいるんですね。ニシノくんタイプのモテ男。
それとは反対に“愛しているのに”ニシノくんから離れていく女性は現実にいるのでしょうか?本書には、しつこい女の人はひとりも登場しません。先日の日記に【ニシノ君は「きちんと愛せる」人を望んでいた割に、女性たちは「きちんと愛してない」ように感じてしまいました。】と【河】さんも書いているように、ニシノくんを“どーにかして、どーにかしよう”とする女性がいないんですよね。相手に“こうなって欲しい”を押し付けるような自分勝手な愛情表現は迷惑になりますが「あぁ、そういう人なのね。じゃ、私には一緒にいられないわ」っていうのも、ちょっと諦めが良すぎるかなぁ。うーん、確かに面倒なことを避ける女の人って最近多いかもしれません。もちろん自分もなんですが…。
人の愛し方って難しいものです。人を愛するのも能力、才能だそうです。“愛している”という気持ちがあっても、愛し方を知らなければ迷惑になったり、一緒にいられなくなったり、しちゃうんですよね。でも恋愛関係の中では“面倒くさい部分”というのは絶対あって、でもそれを省いてしまったらツマラナイ。手間をかけた料理がインスタントより美味しいのと一緒です。
どれが愛し方の正解なんてわからないのですが、本書に出てくる女の人は自分でとるべき行動を決断しているから強く見え、私としてはやっぱり女性の方に共感しちゃうんですよね。諦めが早すぎに見えるかもしれませんが、だって、ニシノくんは人ときちんと向き合うことを恐れているんですもの。このタイプの弱さを持った男って本当に面倒。この種類の面倒さは私には引き受けられない…やっぱり私なら手を出しません。出せません(笑)。でもモテるんだよ!ニシノくん…うーんその秘密は何だろう??でもわからないから興味が…ふぅ。さてさて、みなさんはニシノくんを好きですか?嫌いですか?
男性女性合わせて8人のスタッフが本書について語り合ったわけですが、いかがでしたでしょうか?本の感想を語り合う楽しさを少しでもお伝えできていれば…と思います。それでは、最後になりましたが、これからもどうか楽天ブックスをよろしくお願いいたします。 |
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【楽天ブックススタッフ 卯】 |
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