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| 2004/3/24 |
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『ニシノユキヒコの恋と冒険』
著 者:川上弘美 出版社:新潮社
発行日:2003年11月 本体価格:1,400円
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ニシノユキヒコは危険。本書を読んだ後に頭の中をよぎった言葉は「西野君(西野タイプ)には気をつけよう」でした。
この本は「ニシノユキヒコ」という男性と、彼の人生で出会ったさまざまな女性たちが、彼を思い出していろいろと語っています。おいおいちょっと!と赤面なお話から、心をギュッと締め付けられてしまうお話までさまざまです。それにしても西野君を取り巻くお話はせつない。もてる男っていうのは寂しがりやなのでしょうか。
この西野君の歴史の中でお気に入りが一作は出てくると思います。私が一つお気に入りを選ぶとするなら「夏の終りの王国」です。だけど、自分の過去の恋愛と重ねて、もっとも西野君に胸をキュンとさせられた話は「ドキドキしちゃう」だったりします。このお話の中での西野君は一筋縄ではない。普通だったら拒む事ない状況を目の当たりにしながらキッパリと断る西野君。私はそんな西野君の行動に過去を思い出し心を奪われたのです。あの頃もっと自分が大人の考えを持っていたらもっと違う道があったのかもしれませんね。
西野君は、愛してもらえなかったのではなく、愛し愛されることがなかったのだと思います。愛され過ぎてもダメ。愛してもらえないとダメ。なんて贅沢な恋愛なのでしょう。「男女としての恋愛」というより「人間として」の関係作りが上手に出来ない。西野君は彼女達に心を開いていたのかもしれないけど、実際は受け入れる事が出来ずに拒絶してる。ずるいなーまったく。やっぱり贅沢な人です。
西野君は意外にも身の回りにいるタイプです。計算をしているわけではないのにスマートに心に侵入(侵略?)していく。彼女がいても恋愛をしている。彼女がいても別の女性から愛されている。西野君は拒まない。西野君には悪気がない。正直、、、悪い男です。悪い男だとわかっていながらも私は西野君に恋をしました。私だったら、追いかけて追いかけても私だけを愛してくれなくて、自分がダメになるのをわかっていても、ニシノユキヒコをとことん愛してしまうことでしょう。やっぱりニシノユキヒコは危険。
西野君には悪いけど私は愛し愛されて生きていく恋愛をしていこうと思います。だけど西野君に会いたくなって本書をこっそり開いてしまうんだろうな。本書は大人数で読んで「この話が好き」という話をすると、その人の恋愛観が垣間見えておもしろいです。また、女性の場合、お話に出てくる女性で「自分はどの彼女タイプ」かと想像することもできるので、感情移入しやすいのではないでしょうか。みなさんはどの西野君、どの女性に心を奪われましたか? |
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【楽天ブックススタッフ 奈】 |
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