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読書日記 2004年3月31日更新
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2004/3/22
『ニシノユキヒコの恋と冒険』

著 者:川上弘美
出版社:新潮社
発行日:2003年11月
本体価格:1,400円
この本を読んだ感想を男の人に聞いてみたいね・・と【卯】さんと話していたのは、いつ頃だったでしょうか。その後、読書日記の最終回に向けて企画の話をしていた際に、再び「ニシノ君」が話題に上がり、今回、楽天ブックスの恋する男・女、恋していない男・女たちが、ニシノ君を語り合うことになりました。今日は、トップバッターの【陸】が書きます!

私は、他のスタッフよりも若干(かなり?)人生を長く生きています。結婚も1回したし、恋もそれなりに。ごく普通の・・・結婚生活を続けて、今も夫婦という存在でいる、同い年の人からすれば、恋をした回数も多いのかもしれない。だけど、その分、自分の過去に置いてきたひともたくさんいるわけで。。自分は他の人の記憶の中で、どんな女として残っているんでしょう?

この本は、「ニシノ君」と人生の一部を過ごした女の人たちのお話です。ごくごくどこにでもいるようなニシノ君。いろいろなタイプの女の人とつきあって、違うそぶりでいながら、いつも同じような印象を残してしまう、「ニシノ君」。きっとそばにいたら、惹かれてしまうだろうと思う、「ニシノ君」。そして、今、死んでしまったニシノ君。

私が一番好きなお話は、「しんしん」というお話。ニシノ君は人間の男なのに、猫のようにするりと隣の部屋から入ってきてしまった。でも、猫のナウが一番で、「ニシノ君」が二番。ナウにとってはわたしが恋人で、ニシノ君はいいお友達。。そんな、微妙な関係。猫もニシノ君も、「来る」のは自分の所。だから不思議に安心してしまう。特別にならなくても、出て行かない、去っていかないって。だけど、望んでいなくても、嫌いになられなくても、何時の間にか別れがやってきている時もある。ニシノ君は転勤で去っていきます。そして、ナウも。自分を取り巻く「いいもの」が失われたとき、ああ、これで元に戻っただけ・・と思う。元々、独りだったんだし。だけど、ナウに会いたい。ニシノ君に会いたい。ニシノ君、って声に出して呼んでみる。。。

せつないなぁ。せつないけど、とてもよく分かる気がして。人を好きになるのにはエネルギーが必要です。ましてや、「追う」には自分に対する自信とパワーがないとやっていけません。嫌われたわけでもないのに、去ってしまったニシノ君を追いかければいいじゃない・・・そういう人もいるかもしれません。だけど、追いかけてもニシノ君はきっと本当に自分のものにならない・・そういう肌触りの男なのだと思います。

そんなことを考えながら、今までの自分の恋をぼんやりと思い出してみたりしました。私は相手を不安な気持ちにさせてしまう傾向があるようで、自分ではきちんと向かい合ってその人を好きになっているつもりでも、相手から見るとそうじゃなく見えることがあるらしいのです。若かりし昔から、大人になった今まで、数人の人に言われました。どこか、つかみどころがなくて、すり抜けて行きそうで不安になるそうです。確かに、私は相手が自分しか見えない状態になられるのが苦手で、逃げ出したくなってしまう。知らず知らずのうちに、そういうところが見え隠れしているのかもしれません。ニシノ君とは少し違うかもしれないけど、相手に対して責任の持てる、「正しい恋愛」をすることに臆病になっているのかな。。。強気に見えて、意外に怖がりなところがあるのです。もしくは、ずるいのかな。。。。なんだか、仕事仲間に知られたくないような赤裸々な告白をしてしまった気分ですが、この特集で、これから日記を書く皆さんの恋愛観が垣間見えると思うと、とても楽しみです!

余談ですが、川上弘美さんの作品は、小物の使い方が上手だと思います。「センセイの鞄」でも、表題の「鞄」の他に、センセイが着ていた服が気になっていました。例えば、縁日に行く時の「アロハシャツ」とか、風邪のお見舞いに行った時の、「I LOVE NY」のTシャツとか・・・この本では、「ナウに餌をやるための骨董の小皿」が大好きです。そして、そのお皿で毎日鰯や鯵を貰いたいって言ってたニシノ君も好きです。

拙文を読んでくださってありがとう!本は一人で読んでも、みんなで読んでも楽しい。これからも、楽天ブックスを末永くよろしくお願いします。【陸】でした。
【楽天ブックススタッフ 陸】


【読書日記】では、楽天ブックススタッフが自分たちの読んだ本を日記形式で紹介していきます。

新刊本・未刊本・絶版本。定番から変わった本まで、いろいろな本が登場します。ほぼ日替わり、何が飛び出すか、乞うご期待!
皆さんが読んだ本、良かった本、面白かった本も、私たちに教えて下さい。
お便りはrecommend@books.rakuten.co.jpまで



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