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読書日記 2004年3月31日更新
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2004/3/16
『落日燃ゆ』

著 者:城山三郎
出版社:新潮社
発行日:2002年03月
本体価格:2,400円
前回、読書日記を書いてからしばらくご無沙汰してるな…と思っていたら、最後の読書日記になってしましました。ということで前回いつ書いたか調べてみると⇒うわっ!1年書いてない・・・。書いてくれと言われても、そのうちそのうちと言っているうちに1年とは、ずいぶんと月日の流れは速いものだと実感いたしました。そんなこんなで今回は最後の読書日記の執筆ということだそうで、最後の一冊をどの本について書くかえらく迷い、その迷い方たるやまるで最後の晩餐を選んでいるかのようでした(ちなみに、私の最後の晩餐はカキフライと・・・ってどうでもいいですね。)

さて、前置きが長くなりましたが今回選んだ本は、座右の書である「落日燃ゆ」をとりあげます。作者の城山三郎氏の著作の中でも「男子の本懐」と並んで好きなんですが、学生時代から通算して何度読み返したか分かりません。学生時代、就職活動期、新入社員時代、転職時、色々なタイミングで何度も読みました。ところが、読むたびにそれぞれ別の個所で自分なりに気づく点・刺激を受ける点があるのです。それは、自分に足りない面であったり、「流れに逆らわず」という生き方に対してであったり、自分を取り巻く現在の環境であったりします。

この本は、戦前の昭和の首相・外相で、東京裁判において文官からは唯一A級戦犯として絞首刑となった広田弘毅元首相の生涯を伝記小説として書かれたものです。正直、学生時代まで「東京裁判・A級戦犯」=「悪」と、単純にくくっていたのですが、様々な事象や事柄が必ずしも真実とはなりえないということを、この作品を読んで初めて感じたように思えます。好戦的で戦域をすぐに拡大していく軍部に抵抗して「平和」「協調外交」を推し進めていった広田弘毅が「なぜ?」A級戦犯として裁かれ、かつ、絞首刑となっていったのか。そして、死に至るそのときまで自らの生き方を曲げない生き方、信念。それら全てが初読以来、読み返すたびに私に刺激を与えつづけてきました。

本稿を書くにあたり再読してみたのですが、案の定これまでと違う個所で刺激を与えられました。それは、死(刑の執行)の直前の「マンザイ」という発言であり、また、「長州のつくった憲法が日本を滅ぼすことになる」という個所であります。全国のいたるところで「マンザイ」の様な事象が起きている現在の日本。「長州のつくった憲法」の象徴である「統帥権」と、それとは正反対の憲法を持つ現在の日本。色々なことが想い起こされました。しばらく経って読んでみれば、また違うところで刺激を受けるのでしょう。それが恐らく、私が繰り返し読み続けていこうと思っている理由なのだと思います。
【楽天ブックススタッフ てぃあ】


【読書日記】では、楽天ブックススタッフが自分たちの読んだ本を日記形式で紹介していきます。

新刊本・未刊本・絶版本。定番から変わった本まで、いろいろな本が登場します。ほぼ日替わり、何が飛び出すか、乞うご期待!
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