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読書日記 2004年3月31日更新
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2004/1/9
『クリティカルチェーン』

著 者:エリヤフ・M.ゴールドラット/三本木亮
出版社:ダイヤモンド社
発行日:2003年10月
本体価格:1,600円
まったく、どうしてこう、締め切り直前に毎度毎度ばたばたするのでしょうか。年賀状書きは30日に徹夜だし。余裕があるうちにやっておけば苦しまないで済むのに。二日酔いの朝「どうしてまたこんなに飲んでしまったんだろう」と自己嫌悪する、あの進歩のなさと共通するものを感じます。そんな自分を反省するためにも手に取った本です。

「なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?」と、プロジェクトマネジメントに関して考察した本です。これはこれは、耳の痛い言葉が並んでいました。きわめつけはこれですね:「学生症候群――期限までに余裕があるとついほかのことに手が出て、結局ぎりぎりまで作業に着手しないので期限までに間に合わない」。うう。社会人たる者(のはず)が、学生のような甘さだと指摘されては、返す言葉もありませぬ。

さて、内容のほうはというと、実は私は「ザ・ゴール」も何も、前作を全く読んでなくて、氏の作は初めてだったのですが、ドラッカー氏の本みたいな論説ではなく小説仕立てで、楽に読んでいけました。

ビジネススクールのMBAコースが舞台なので、議論する場面がよく出て来ます。その中の、皮肉っぽい表現が妙に楽しめました。たとえば―――「もしそうなら……です。……そんなことが許されていいのでしょうか」私は、答えなかった。私は、答えのわかりきった質問をする連中が好きではない。答えがわかりきった質問を自分でして、自分で答えるような連中はなおさらだ。悪いが、ジョニーはそういう連中の一人らしい。―――

また、数式モデル(の、現実には役に立たないもの)について主人公の口を借りて批判している場面もあり、ゴールドラット氏は物理学者で数式は本職なだけに、ビジネス論文での数式モデルに思うところがあるんだろうか、ひょっとしてジョニーのしゃべり方は氏自身も嫌い?とかいうことにも思いをはせたのでありました。

そんなことはさておくとして、プロジェクトマネジメントがテーマなので、冒頭に書いた個人的なことよりは、どっちかというと仕事上のことを思い浮かべて、なるほどなぁと感心しながら読み進めました。「余裕時間は積み増しされる――ぎりぎりの時間で見積もらず、『まず大丈夫』という時間を見積もる」。しかし、それで予定より早めに終わることはなく、「浮いた時間は無駄に消費される――たまたま早めに作業が終了しても、正直に申告されずなんとなく無駄に消費される」。こういう傾向は、人間心理上避けがたいように思われます。しかしそもそも、「たぶん1日で完成するはず。でも1日遅れる確率は50%、2日遅れる確率は30%、3日遅れる確率は10%」のように確率分布するはずを、「4日で作業します」のように、しかも各作業パートでそういう余裕をはさみ込むことは、全体としては明らかに長め長めになって効率が悪いわけですね。

本書で提案されている方法では、「ぎりぎりの時間で見積もる、しかし遅れてもそれを責めない」というカルチャーの変化も必要です。小手先の導入ではなく、みんなに考え方を浸透させる必要があり、マネージャーの苦労がしのばれますね。と、他人事のように思いつつ、もちろん個人的な改善のヒントも多少はつかめた…ような気はします。とは言え、この原稿も、「今日中に書く!」と言ったその翌日の夜にまだ書いているわけで、まだまだ精進が必要なようです。その自分改善を今年の目標として、私の今年最初の読書日記といたします。
【楽天スタッフ 笑】


【読書日記】では、楽天ブックススタッフが自分たちの読んだ本を日記形式で紹介していきます。

新刊本・未刊本・絶版本。定番から変わった本まで、いろいろな本が登場します。ほぼ日替わり、何が飛び出すか、乞うご期待!
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