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| 2004/1/9 |
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『クリティカルチェーン』
著 者:エリヤフ・M.ゴールドラット/三本木亮 出版社:ダイヤモンド社
発行日:2003年10月 本体価格:1,600円
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まったく、どうしてこう、締め切り直前に毎度毎度ばたばたするのでしょうか。年賀状書きは30日に徹夜だし。余裕があるうちにやっておけば苦しまないで済むのに。二日酔いの朝「どうしてまたこんなに飲んでしまったんだろう」と自己嫌悪する、あの進歩のなさと共通するものを感じます。そんな自分を反省するためにも手に取った本です。
「なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?」と、プロジェクトマネジメントに関して考察した本です。これはこれは、耳の痛い言葉が並んでいました。きわめつけはこれですね:「学生症候群――期限までに余裕があるとついほかのことに手が出て、結局ぎりぎりまで作業に着手しないので期限までに間に合わない」。うう。社会人たる者(のはず)が、学生のような甘さだと指摘されては、返す言葉もありませぬ。
さて、内容のほうはというと、実は私は「ザ・ゴール」も何も、前作を全く読んでなくて、氏の作は初めてだったのですが、ドラッカー氏の本みたいな論説ではなく小説仕立てで、楽に読んでいけました。
ビジネススクールのMBAコースが舞台なので、議論する場面がよく出て来ます。その中の、皮肉っぽい表現が妙に楽しめました。たとえば―――「もしそうなら……です。……そんなことが許されていいのでしょうか」私は、答えなかった。私は、答えのわかりきった質問をする連中が好きではない。答えがわかりきった質問を自分でして、自分で答えるような連中はなおさらだ。悪いが、ジョニーはそういう連中の一人らしい。―――
また、数式モデル(の、現実には役に立たないもの)について主人公の口を借りて批判している場面もあり、ゴールドラット氏は物理学者で数式は本職なだけに、ビジネス論文での数式モデルに思うところがあるんだろうか、ひょっとしてジョニーのしゃべり方は氏自身も嫌い?とかいうことにも思いをはせたのでありました。
そんなことはさておくとして、プロジェクトマネジメントがテーマなので、冒頭に書いた個人的なことよりは、どっちかというと仕事上のことを思い浮かべて、なるほどなぁと感心しながら読み進めました。「余裕時間は積み増しされる――ぎりぎりの時間で見積もらず、『まず大丈夫』という時間を見積もる」。しかし、それで予定より早めに終わることはなく、「浮いた時間は無駄に消費される――たまたま早めに作業が終了しても、正直に申告されずなんとなく無駄に消費される」。こういう傾向は、人間心理上避けがたいように思われます。しかしそもそも、「たぶん1日で完成するはず。でも1日遅れる確率は50%、2日遅れる確率は30%、3日遅れる確率は10%」のように確率分布するはずを、「4日で作業します」のように、しかも各作業パートでそういう余裕をはさみ込むことは、全体としては明らかに長め長めになって効率が悪いわけですね。
本書で提案されている方法では、「ぎりぎりの時間で見積もる、しかし遅れてもそれを責めない」というカルチャーの変化も必要です。小手先の導入ではなく、みんなに考え方を浸透させる必要があり、マネージャーの苦労がしのばれますね。と、他人事のように思いつつ、もちろん個人的な改善のヒントも多少はつかめた…ような気はします。とは言え、この原稿も、「今日中に書く!」と言ったその翌日の夜にまだ書いているわけで、まだまだ精進が必要なようです。その自分改善を今年の目標として、私の今年最初の読書日記といたします。 |
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【楽天スタッフ 笑】 |
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