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読書日記 2004年3月31日更新
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2004/1/8
『秋日子かく語りき』

著 者:大島弓子
出版社:角川書店
発行日:2003年12月
本体価格:800円
『天国は待ってくれる』かどうか、本当のところは良くわからないけれど、臨終の時を迎え、天国に召されるというこの後に及んで、やり残したことがあるからまだ死ぬわけにいきません、などという申し立ては有効なのでしょうか。まあ、色々と考慮すべき事情もあるし、同情の余地もある。それでは「期間限定」で、もう一度だけ、下界におりることを認めましょう。神さま、あるいは、天使長あたりの決裁が下り「生前」とは姿を変えて、再び、懐かしい「この世」に舞い戻る。そこは、もう自分が死んでしまった後の世界で、まったくの他人として懐かしい「遺された人たち」と再会することになる。なんて筋立ての物語が、あなたにはいくつぐらい思い浮かびますか。作品のディテールは違うものの、ここに通底するロマンティシズムは、同工異曲の数多くの作品が作られるに足る所以であったかと思います。それこそ往年のハリウッド映画から、つい一昨年のベストセラーまで、枚挙にいとまもない程。是非、マニアなリストを作って並べてみては、皆さんとそれぞれなりの魅力を楽しみたい、ところではありますが、その中でも、屈指の出来栄えの本作品をご紹介したいと思います。

交通事故で突然の死を迎えることになった中年女性、竜子。本格的な往生を前にして、もう一度、下界に戻りたいと神さま(のお使い)に懇願します。同じ交通事故に巻き込まれながらも、かすり傷を負っただけで仮死状態に陥っている女子高生、秋日子、の身体を一時的に借りて、期間限定の復活をとげます。いち早く家族のもとに戻りたいと思うものの、普段は女子高生、秋日子を演じなければならない毎日。純正オバさんのハートを持った女子高生のちぐはぐな言動、行動に困惑する周囲(を省みないところがまたオバさんで)。残された子どもたちや旦那さんが、母親不在の生活にさぞや困っているだろうと、あれやこれや要らぬ世話を焼こうとするけれど、新しい生活サイクルは既に回り始め、意外と困っていない様子。安堵、よりも寂しさ。自分の人生ってなんだったのだろう。竜子(秋日子)の胸に去来する複雑な想い。それでも一週間の限定された期間の中で、彼女は、一番大切なものを見つけ出すことができるのです。ヨハン・シュトラウスの『青く美しきドナウ』と、「転生」への淡くも美しい期待に飾られるラストシーンは、このささやかな物語に、荘厳な響きを与えます。誰もが限られた人生の時間を生きている。残された猶予時間はそれぞれに違うけれど、失われることを意識したとき、はじめて黄金のように輝く一瞬の連続なのだということに気がつくものなのかも知れません。秋日子(竜子)の奇妙な一週間を見守る秋日子の級友の視点と、その「総括」が秀逸で、この伴奏者が、主人公の紡ぐ物語の旋律に、もうひとつのハーモニーを加えています。はああ、見事な作品だなあ、と再び読み返してみて思った次第です。

さて、この『秋日子かく語りき』ですが、これを書いている現在(2004/1/8)、NHK総合で連続ドラマ化され放映されています(タイトルは『ちょっと待って神様』)。なかなかTVドラマが放映されている時間に帰宅できないものですから、見ることはかないませんが、あえて、この懐かしい作品をドラマ化した方たちの「並々ならぬ思い入れ(いえ、勝手な想像ですが)」に対して、応援企画をと思い、こんな読書日記を書いてみました。『四月怪談』や『毎日が日曜日』など、これまでにも何作か映像化された大島弓子作品を見たことはあるのですが、やはり、難しいものを感じたのも事実。大島ワールドの絶妙の魅力は、やはりコミックという表現手段でこそ体現されるものなのか、どうか。ドラマでこの作品を知った方たちにも、是非、原作を読んで欲しいと思っております。
【楽天ブックススタッフ 知】


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