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読書日記 2004年3月31日更新
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2004/1/28
『私の美男子論』

著 者:森茉莉
出版社:筑摩書房
発行日:1995年04月
本体価格:1,845円
美少女とか美女、って言われて嬉しくない女性はいないと思うのですが、男性が美男子と言われた場合、何となく落ち着かない感じがするんじゃないでしょうか。というのは、男性にとって容貌が美しいことはそれほど重要なことではない(世間的に)からで。では男性にとって重要なことは何かと言ったら、知性とか、威厳とか、個性とか、才能とか、力強さとか、まぁそういう内面的なことなのではないでしょうか。そういうものが外見にも作用して、一種その人独特の雰囲気を作る。そうした雰囲気が美しい、そんな男性について語ったのが、本書『私の美男子論』。著者は、文豪・森鴎外の娘、森茉莉。本書は、雑誌『ミセス』で1960年代に連載していた文章をまとめたものです。

まず、取りあげられている男性がまた渋いセレクションなのです。三島由紀夫、松本幸四郎(先代の)、仲代達矢、岡本喜八、小澤征爾、團伊玖磨、岡本太郎、深沢七郎、池田満寿夫、たいめい軒(の主人)、小沢昭一、吉行淳之介、武満徹、藤原義江、萩原朔美、北杜夫、立川談志…といった面々。全てモノクロームの素晴らしい写真付きで、各人がどのような「美男子」なのか、確認しながら読めるという楽しい体裁になっています。

あぁ、ハイソな雑誌でよく見かけるような、著名人の経歴やら業績を紹介するようなヤツね…と思った方、それは大間違いです。著者は、永遠の少女、森茉莉。父・森鴎外に宝物のように大切に育てられ、結婚後はパリで贅沢な暮らしを送った挙句、離婚後は一人で亡くなるまで下北沢の古いアパートで暮らした彼女(詳しくは『贅沢貧乏』参照)。ボロアパートの小さな一室で、鋭い美意識と誇り高さを保ちながら暮らした彼女の生きがいは、「妄想」「想像」すること、そしてそこからさらに「創造」すること、だったのではないかと思うのです。それだけにこの「美男子論」も、「妄想・美男子論」とでも言いたくなるような「想像的」かつ「創造的」なものになっています(笑)。

本書は先日、友人からプレゼントされたのですが、私は真っ先に大ファンである仲代達矢のページをめくりました。仲代達矢と森茉莉という私の大好きな人たちが一体どういう会話をしたのか、物凄く興味があったからです(この連載にあたって、森茉莉はちゃんと本人に会って取材してから執筆してたらしいので)。…ところが、彼について書かれているのは服の描写とか小物とか…。あとは、仲代達矢という美男子(1964年の連載なので若い時の彼)から想像させられるアレコレ、例えば、森茉莉が以前に書いた小説『恋人たちの森』に出てくるGuidoという美男子とPauloという美少年の恋愛話や、そのモデルにしたジャン・クロオド・ブリアリとアラン・ドロンという仏蘭西の俳優の話や、自分の想像の中のブリアリは黒い天鵞絨(コオルテン)太畝の上着を着ているが仲代達矢も同じ天鵞絨(コオルテン)太畝の上着を着ているとか、でも仲代はブリアリの持つ悪魔の図太さ(これも森茉莉の妄想)は持っていないとか、そんなのばっかり(笑)。挙句に、「仲代達矢は今、近く上演を予定されている『ハムレット』と『民谷伊右衛門』とに意欲を燃やしている。私もそれを見たいと思うが、ブリアリは『学生への道』しか見てないし、仲代氏もメロドラマの中で見たきりという怠けものの私は果たしてほんとうに見るだろうか?」って問われても(笑)。森茉莉って、妄想癖がある上にユーモアセンスもあり、そして批評センスに意地悪センスも猛発達してるところが、好きです。

もちろん、こういう想像話以外にも、とってもいいことを言ってます。水野成夫(産経新聞社長で仏蘭西文学の翻訳家)の章で、「氏が情(なさけ)を解する人であることも、見ればわかる。私は氏が、恋愛を経験しているかどうかは知らないが、私の言うのは恋愛の経験者かどうかということではない。柔しい心を知っている、という意味である」。ちなみに添えられた写真で見る水野氏の顔は、いわゆる美男子ではありませんが、何とも言えず「いい顔」でした。
【楽天ブックススタッフ 寺】


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