皆さんの身の周りに、「キメツケ」るのが好きな人っていませんか? 例えば、「女って嫉妬深いよなあ」とか、「日本人は自己表現ができないから」とか。私はそういう独断的な一般論を聞かされる度に、「そんなの人によると思うけど!」とつい言いたくなってしまうのですが、自分がキメツケるぶんには楽しかったりするんですよね。自分が新しい法則を発見した!という誇らし気な思いと共に、「男って実は臆病だからね」なんて、そんなの人によると思うんですが(笑)。
で、この『日本のみなさんさようなら』(リリー・フランキー著)ですが、これこそ多くの「キメツケ」に満ちています。`94〜`99年にかけて雑誌『ぴあ』に連載されていたB級日本映画についてのコラム(学生の頃、毎号立ち読みするのを楽しみにしてました!)を集めたものなんですが、著者は映画の内容そっちのけで(というかそれを肴にして)、俳優について、男女について、世の中について、面白可笑しく「キメツケ」ます。例を挙げると、
「日本人男性の大半は心のどこかで、長嶋茂雄か加山雄三のどちらかになりたいと憧れを抱いているものである」 「(松田)優作登場以降、日本の男は二種類に分かれた。そのひとつは、優作にシビれ心の中に優作の住み着いてしまった男。もうひとつは、心の中に優作のいない、カッコいいことに関して鈍い男だ」 「美人は宮本輝を愛読し、ブサイクは山田詠美を変読する」 「オバサンとはだいたい2種類に分けられると思う。エロ本や近所の騒音にキーキーとヒステリックになる偽善者系のオバサンと、残酷とエロとゴシップ好きな下世話系のオバサン」
著者リリー・フランキー流に言えば、キメツケにも程がある(笑)。だけど、言わんとしていることはわかる…という気もして、ひたすら可笑しい。そして笑えるということは、そこに何かしらの真実が隠されていてそれを暴露されたから可笑しい、ということも言えるんですよね。さらに、この本を読んで私はある法則を発見しました。「笑えるキメツケは許せる」。この本で著者が、たのきんトリオ主演映画『スニーカーぶる〜す』について、「シレッとして何かを諭そうとするモノより、ただテンション高いだけの方が笑える分だけ価値がある」と書いているのと同じことが、「キメツケ」にも言える!と…。
ちなみに蛇足ですが、私は山田詠美の小説が大好きですし、私の周囲にも山田詠美ファンは沢山いて、そして彼女たちは皆とても可愛くてチャーミングです。念のため! |