| <<前日の日記へ | 翌日の日記へ>> |
| 2003/9/1 |
 |
『世界の中心で、愛をさけぶ』
著 者:片山恭一 出版社:小学館
発行日:2001年04月 本体価格:1,400円
|
目を惹く力のある表紙の写真(川内倫子氏の作品でした)で、本書が出版された時(もう2年以上前です)から気になっていました。高校生の時に恋人を亡くしてしまう男の子のお話です。とってもとっても純粋な恋愛物語。この作品は女性に人気があるのも納得です。帯には柴咲コウさんが「泣きながら一気に読みました。私もこんな恋愛をしてみたいなって思いました」という感想を寄せています。
確かに読みやすく私も一気に読んでしまいました。私は幸いなことに恋人が死んでしまうという経験はしたことがないので、その苦しみ悲しみは想像がつきません。(本当は想像すらしたくないです)。ですが、本書のなかにある一文の『周りの人の同情や世間知のようなものがまったく嘘くさくきこえて、自分の実感が伴わないことは何一つ受け付られなかった』というのはちょっと理解できました。周りの人がいろいろ(例えば「時が解決するよ」とか)言ってくれて、自分も頭では納得していても、感情がついていかない瞬間というのはあるのです。私が経験した死に関する最大の出来事は、大好き大好きでとても大事にしていたうさぎが死んだことでした。もうダメだということがわかった夜は、悲しすぎで気持ちが悪くなり吐き気とたたかいながら「この夜をどうのりきっていいか、今この瞬間をどうしたらいいのかわからない・・・」という状態におちいりました。友だちの心配する声も聞こえてはいるのですが、世界から光が消えた気がして「もう真っ暗でどっちに歩いていいかもわからないのー」と夜中に泣きじゃくっていました・・・。そんな気が狂った私につきあってくれた友達よ・・・ありがとう。あぁもうあんな想いはしたくないです・・・。
この本でも主人公の男の子におじいちゃんが語るという形で語られているのですが『自分で考えて考えて整理しながら、自分の考えに実感が伴ってくるまで待つ』しか乗り越えていく方法はないんですよね。それを「時が解決する」と呼ぶのかもしれません。誰もその当事者の悲しみを代わってあげることはできないし、慰めることもできないかもしれません。でも本当に理解してくれる友だちが心配してくれたり、こういう本を読んだりすることが癒しの手助けになったりするのだと思います。
私がこの作品で最後まで疑問だったことは(主人公も気にかかっていたこととして出てくるのですが)「最後のとき、彼女はぼくに会おうとしなかったんだ。どうして彼女は、ぼくが最後までそばにいることを望まなかったんだろう」という部分です。私だったら最後の最後まで恋人にいてもらいたい・・・かなぁ?ってやはり想像もできないし、あんまりしたくないですね・・・。みなさんはどうですか?最後のときは誰と一緒にいたいと思いますか?
哀しい別れが題材ですが、高校時代という設定もあって美しいお話になっています。純粋なものにふれた気持ちになれます。「人を好きになる」ということを考えるのにもいいですよ。恋愛中の人にも恋愛をしたい人にもオススメです。 |
|
【楽天ブックススタッフ 卯】 |
|