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| 2003/6/9 |
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『東京スーベニイル手帖』
著 者:沼田元気 出版社:白夜書房
発行日:2003年05月 本体価格:2,400円
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同年代の方たちに好きなことをアンケートをして良い、と言われたら、どうしましょうか。私は30代半ば、とはいえ、若い方たちに囲まれている職場なので、ちょっと世代間格差みたいなものを感じる日々なのです。ということで、このところの興味、関心のおもむくところとしまして、質問その1、あなたのご家庭では泉屋のクッキーの空き箱を裁縫箱として活用していましたか。そんなことを聞いてどうする(笑)。たわいもないことですが、この本を見ていたら、ちょっとだけ誰かと共有できるかも知れない時代感覚を楽しんでみたくなりました。私はメンコを入れていたような記憶もあるのですが、あれはピーセンの空き缶だったか。クッキーの空き箱の底には、どんな包装紙が敷きつめられていましたか?。いや、もう記憶にないでしょう。素敵なことに、この本には、かつて、皆さんの生活を彩った、あの懐かしい「おみやげ」たちの包装紙がコレクションされています。記憶の底から引っ張り出されてくる残像に、心が震えたりします。モダンでポップな、その色づかいと意匠よ。泉屋さんや千疋屋さんでは、いまだに使われているのでしょうか。是非、皆さんにもドキドキしてもらいたいところです。本書、『東京スーベニイル手帖』は、東京のスーベニイル(おみやげ)を紹介した本です。東京駅や羽田空港で、現在販売されている「東京銘菓」ではなくて、子どもの頃に、親戚の叔父さんがくださった、あの「おみやげ」たちです。いまだって「おみやげ」をいただいたり、差し上げたりすることは、ままあることだけれど、なんだか懐かしい気持ちを呼び覚まされるフレーズですね。質問その2、あなたが好きだったおみやげはなんですか。私はなんだろう。ずっと考えているのですが。芋羊羹かしらん。あれはどちらのお店の製品だったのでしょうか。皆さんも、良かったら教えてください。
とても凝った造本です。綺麗な御本、と言っても良いでしょう。『注文の多い著者」からは、この本のブックカバーは外しておくように指示されています。赤いカバーをはずせば、可愛げなおみやげイラストの表紙がのぞきます。全ページフルカラー。ページの角まで加工されています。こんな本を誰が作ったのかな、と思えば、あの沼田元気さん。八十年代をサブカルチャーとともに過ごされた方には、懐かしい名前かもしれません。かつては、やりくり長屋で盆栽小僧という感じだったのに(とても説明に窮しますが)、いつしか「おみやげ」や「おでかけ」なんてリリックなフレーズで、こんなスタイリッシュな本をまとめてしまう写真詩人となられていました。すっかり素敵な叔父さまという感じです。
懐かしくもゆかしい東京のおみやげの数々。この本での掲載は、5百点を越えるそうです。自分が知っているものはごくわずかなのだけれど、きっと誰かの大切な思い出の中のおみやげなのかも知れません。お菓子もあれば、キャラクターものもあります。キーホルダーというものは、今も生活必需品なのに、なぜか時代を感じたりします。昨今はストラップが主流ですね。ちょっと古めかしい感じの風景写真や、グッズの数々。東京近辺のご出身の方は、お父さん、お母さんと一緒にご覧になったら、きっと楽しいのではないかと思います。もうすぐ父の日です。この本をおみやげにご実家に帰られるのも良いかも知れませんね。 |
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【楽天ブックススタッフ 知】 |
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