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| 2003/5/15 |
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『コンサルティング業界仕事と戦略』
著 者:みんなの就職コンサルティングキャリアグル 出版社:東洋経済新報社
発行日:2003年05月 本体価格:1,700円
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「コンサルティングファーム」というと、カッコいーというイメージがある一方、特にIT系ですが叩かれている記事も見かけます。何か月かミーティングを重ねた結果、残ったものは役に立たない仕様書の分厚いファイルだけだった、といった話です。ただ、こういうのは悪い話ほどよく広まるものだし、実のところ、守秘義務もあって、成功事例でも紹介ができないことが多いそうです。個人的には、コンサルってほんとに機能するんだろうか、という疑いが若干ありますが、考えてみれば、「インターネットしたいんだけど何買ってどうしたらいい?」みたいなちんぷんかんぷんの人に、パソコンやプロバイダの選定、セットアップを指南するのと、IT音痴の企業にシステム導入から一通り指南するのと、似たようなものかと思えば、やっぱり知恵袋となる頭脳集団の必要性もわかる気がします。ただし、よりハイレベルな要求に応えられるだけの能力がコンサルティングファームには求められるわけで、企業側の要求が高まるとともに、業界内でも、事業モデルを変えていったり、淘汰が進んだりしているそうです。
「みんなの就職」のスタッフの手による本なので、「業界研究」的な話題とともに、業界で求められている人材や採用についてじっくりページが割かれています。だからと言って、これは就職本だ、というのは狭い見方です。なぜかというと、コンサルティングにおいての「人」の大切さを感じるからです。名だたる有名数社のトップへのインタビューほか、随所に出て来るのが、「人が大切だ」という言葉です。モノではなく知恵を提供する企業だからこそであり、しかも、クライアント企業の重要な戦略選定に社外の人間であるコンサルタントが加わるわけですから、「この人と一緒に仕事をしたい」とパートナーとして信頼してもらえるだけの人間性が必要なのです。となると、コンサルティングファームとしては、採用、そして社内教育や研修には力を入れる必要があるわけです。コンサルタントに必要なスキルとして「ロジカルシンキング」と並んで「信念、集中力、コミュニケーション力」が挙げてあったのが印象的でした。
コンサルティングにあたって多くのケースでは、戦略を練って提案して、さあこれから実行、というところで終わりになります。以後はクライアント企業が実行に移す番なわけです。このように、最後まで見届けられない、実行の主体を究極的には握れない、という立場に不満を感じ、「テーブルの反対側に座りたくなる」ことは、往々にしてあるそうです。大変なその「実行」こそを自分でやりたくなってコンサルティングファームを辞めて独立した人たちへのインタビューがあり、ここだけ読んでも、なかなか深く感じるものがあります。ケースによっては、成果があがるところまでかかわることもあるそうで、クライアント側からすると、そこまで責任持ってくれよ〜と思うのはしごく当然ですね。
厳しい世界ですが、仕事を通して自分を磨くという意味では、働きがいのある業界だと思います。コンサルタントが「経営者への一番の近道」という言葉があるように、スキルを磨いたあとは、実際の経営者としての現場で活躍して、日本を元気にしていってほしいものです。 |
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【楽天スタッフ 笑】 |
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