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| 2003/4/4 |
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『Fine days』
著 者:本多孝好 出版社:祥伝社
発行日:2003年03月 本体価格:1,600円
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幸か不幸か本多さんもすっかり有名作家になっちゃってさ…とちょっと拗ねてます。と、いうのも発売前から相当話題の1冊だったのですよ。知人に書店さんが多いので、事前に原稿を読んだ方も多かったらしく大評判。デビュー作の『MISSING』から地道に新作を楽しみにしていたファン(私の事ね)にとっては妬ましくて妬ましくてしょうがありませんでした。ほんとに自分がまだ読んでいないとても面白そうな本の話を聞くのは精神的によくありません。しかも購入しようと思ったら即“お取り寄せ”になってたので振り上げた拳を下ろすところに困ってみたり。でも非常に早く本が手に入り発売日から間をおかず読むことができました。いやぁ良かった。
そこまで待ちに待った『FINE DAYS』は期待を裏切らない感動ものでした。デビュー作は日常の謎派ミステリ作家というイメージが強かったのですが、書く度にイメージが変わってきていて、今回は不思議なラブ・ストーリー集に仕上がっています。恋愛を描いていながら甘ったるくなく、なんともいえない余韻を残すのはこれひとつの作風なんだろうなぁと思うのです。表題作の【FINE DAYS】が冒頭にあって、この仕掛で一気に心をつかまれました。エンディングまである意味淡々とクールに景色が進んでいくのですけれど、最後の最後にもう一度前の文章を全て読み返したくなるような一言が…ぜひ注意して読んでみてください。
個人的には本多さんが書く女の人(クールな人)がとても好きです。世の中を斜に構えて見ているようで、実は情に厚かったりすごくナイーヴな悩みを持っていたり。しかも男にいじこじしない潔さと媚びなさを持っているけど美人。多分男に生まれてたらこういうタイプに惚れたりするんだろうなぁと思いながら読んでいます。彼女たちは時として大きな事件に巻き込まれたり大きな事件を起こしたりと、大変な目にあったりもするわけですが、それでも私を惹きつけてやみません。
幻想的な空気とどことなく漂うけだるさ。でも空気は透明でなんだかいつも空は爽快に晴れ渡っている気がする…そんな小説です。その場の中で主人公達が抱えている切ないほど一生懸命な想いが読み手にくっきりと届いてきました。心地よい読後感にしばらく浸れそうです。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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