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| 2003/4/2 |
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『グッドラックららばい』
著 者:平安寿子 出版社:講談社
発行日:2002年07月 本体価格:2,000円
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快作?怪作?まぁとにかくかわったお話しです。ある日ふと(それも娘の卒業式の帰りに、だ)家出してしまったお母さんの鷹子さん。それも別に浮気したというわけでもなく、ダンナに愛想を尽かしたというわけでもなく、ましてや事件に巻き込まれたってわけでもない。「だから心配しないで。」という電話をかけてきてそれっきり。それを仕事場で聞いたお父さんの信也さんも「あ、そう。」思春期まっただ中の娘2人にそれを伝える段になっても「ま、様子を見ましょう。」と来たもんだ。このお父さんって人が信金にお勤めなんですけど、これまた文鎮とか呼ばれてる典型的な小市民。趣味は貯金なんです。
まあ、思春期の少女2人がそんな親に反発を覚えないわけはなく、妹の立子は大反発。ビンボー臭い我が家族に嫌気を覚えて、バリバリのお嬢さま高校に入学して、大学にも行って…でもその目的は金持ち男を捕まえて結婚すること。いやぁその上昇志向と向上心の凄さといったらすごいもんです。真面目に化粧すらしない私には反省する点ばかり。ここまで男(カネ?)に執着したオンナってどうなるんだろうなぁと思って読んでいましたが、二転三転。。。そんな立子をクールな目で追う姉の積子。この人はこれまた大の男好きというかセックス好き。男がかわるたんびに仕事を変えるのはよしとして、これまたつき合う男がどうもダメ男ばっかりなのよね。でもそれすらも自覚してるところがすごいところなのです。
このように片岡家の面々はとにかく自分勝手。でも極めつけはお母さんでしょう。いなくなったと思ったら、旅芸人の一座で役者を目指していたり、そのまま行った先の旅館で働いてみたり…とたくましいことたくましいこと。それも1か月や2か月だったらわかりますけど延々と何年間もそういう生活をするのです。そして離ればなれになればなるほど愛が深まってくと言うのです。ふぅ〜ん。そんなマイペースの人々の中できーっ!とこの事態をイライラしながら見ているのが伯母です。この人は一般的な感覚を持って片岡家にハッパをかけるわけなんですけど、どうしてか最も滑稽にうつってしまう。この瞬間から既に著者の術中にはまってしまっていたのかもしれません。そう、読み始めは確かに私もイライラしながら読んでいました。
とにかくオンナってパワフルだな。という感想を持たずにはいられないお話しです。そんなわけあるかという荒唐無稽な設定ではあるんですけどなぜかどこか共感したり、一緒になって落ち込んだり。いやはやまたまた追いかけなければいけない作家が増えてしまいましたよ。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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