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| 2003/4/14 |
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『陰陽師(おんみょうじ)瘤取り晴明』
著 者:夢枕獏/村上豊 出版社:文藝春秋
発行日:2001年10月 本体価格:1,333円
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太極ノ巻という新刊が発売になったという時に今さらながら読みましたというのも変な話ですが『瘤取り晴明』をようやく読めました。何で今頃になったのか言い訳をすると、この巻は他の物とちょっと違って村上豊さんの絵がふんだんに入った絵巻物になっているのですよ。言ってみればちょっと高尚な絵本ってとこ。そしてさらにテーマが良く知られたる瘤取り爺さんの話なので、まあ知った話だし、すぐに読み終わっちゃうだろうし、別に急いで読まなくてもいいかなぁ…なーんて思っていたのです。
ところがどっこい。そんな予感は全然当たらず、これがとても良い!時にしんみり、時に楽しく、そして艶やかに情景が流れゆきます。一風不思議なこの気配はいつものことながらなのですが、そこに絵が加わることで魅力が倍増していました。大きな瘤をお持ちだったのは平大成・中成という都でも有名な老薬師です。この二人は山に入り自ら薬となる草花を見つけて歩くという仕事をしているのです。大成はある時期山に出る真っ赤な笠のキノコが大好きで(いわゆるベニテングダケってやつですな)それを求めて迷子になってしまいました。そこで魑魅魍魎たちの宴に遭遇。こりゃあ素面じゃやってられんと、採りたてのキノコを食べて朦朧としながら鬼たちに愉快な踊りを披露するのです。そこからはしばらくあの瘤取りのお話といっしょ。瘤を人質にとられて「また来るように」とお約束をさせられるのでした…
大成は無事に都に戻るものの、これを羨んだのが中成。自分だって瘤を取って欲しいと大成の変わりになりすますことをたくらみます。とはいえ、あんな陽気な踊りなどそうそう出来るものではありません。鬼たちの怒りを買い大成の瘤までくっつけられて散々なことに。こうして魑魅魍魎に魅入られてしまった二人は助けを求めに晴明の元へと駆けつけるのでありました。そして晴明の策はいかに!
本筋はもちろんですが、晴明と博雅がほろほろと酒を飲むシーンがたまらなく好きです。杯に映る月の姿とか、思い浮かべるだけでも綺麗ですよ。実はこれを読みながら私もちびちびとお酒をなめていたんですが、良い肴代わりになりました。新作とあわせてぜひ読んでみてくださいね。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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