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| 2003/4/10 |
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『ドリームバスター(2)』
著 者:宮部みゆき 出版社:徳間書店
発行日:2003年03月 本体価格:1,600円
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一年半ぶりくらいに『ドリームバスター』の新作が出ました。『ブレイブ・ストーリー』で壮大なファンタジー世界を作り出したあとなので、この流れに触発されてこちらも読んでみようかなぁと思ってくれる人が多く出ることを祈っています。
さてさて、前作に引き続きD・B(ドリームバスター)と呼ばれるシュンとマエストロの2人が主人公をつとめます。細かい内容は割愛しますが、まぁ夢の中に逃げ込んだ凶悪犯を捕まえる役の2人、そして担当地区は日本です。今回も気の小さいOLの夢に入り込んで凶悪犯と戦ったり、虐待を受けている子どもの夢の中に入り込んで活躍したりとページをめくる手を休める暇がないくらいの大活劇を演じてくれています。ただ、単純な勧善懲悪の物語というわけではなく、凶悪犯が自らの体験を照らし合わせながら取り憑いた人を守ったり、さらなる悪党と戦おうとしていたりと人間模様もより複雑になっています。
善悪が白黒というようなハッキリしたものではなくゆらゆらと揺らいでいて、その揺らぎを知ってみんなが苦悩するというのが宮部さんのここのところの作品ではよりハッキリしてきたような気がします。とはいえ、この世界ではそんな悪党一人の起こした悪事よりも酷いことが組織的に行われているようでした。話の終わり方を見ていると、どうやらこれからのシェンやマエストロたちの仕事は凶悪犯捕縛だけではすまなくなりそうです。う〜ん、気になる。
しっかしまあ、相変わらず見事な伏線が張りめぐらされていて、一度読み終わった後にページを戻ってもう一度楽しめます。「ふむふむ、なるほど、これはそういうことだったのか。と、いうことはあれもああいうことかもしれないなぁ…?」なんてな感じに。マンガちっくな展開なのであっさり読めてしまって大作感がないのが難点なんですけど、この人間の心のあやとか微妙な揺れの描写ってのは、超難解古典文学並に考えながら読む必要がある気がしました。とにかく3巻が待ち遠しいです。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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