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読書日記 2004年3月31日更新
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2003/3/27
『永遠の出口』

著 者:森絵都
出版社:集英社
発行日:2003年03月
本体価格:1,400円
最近特に児童文学出身作家が元気です。この森絵都さんしかり、佐藤多佳子さんしかり、湯本香樹実さんもそうでしょうし、角田光代さんもそのジャンルかしら?そのみなさんがじゃんじゃん一般向け小説を書き出して話題になっているのもここのところの特徴でした。そしてヤングアダルト業界(?)でも屈指のビックネームの森絵都さんの“初の大人の小説”ってのはそれだけでニュースです。(ま、そもそも私は売り手が読者を選ぶ必要はないと思ってるんですけどね)

このお話は連作集になっていて、小学校四年生から高校三年生までの主人公の成長を描くものになっています。女の子にとっては思春期という最も難しい時期。時にはお誕生会の出来不出来にいじこじしたり、サンリオのキャラクター商品をお友達とおそろいで持つことに多大な意義を感じたり、好きになった男の子が超ワルだったこともあったし、校則を守るためには前髪も超短くしなきゃいけなかった…大人の窮屈な押しつけに息が詰まりそうになってぐれたりもしていました。全部に共感できないにしても、どこか必ず「うわぁ、あったあったそういうこと。」というポイントが見つかります。今までのジュブナイル小説に“昔を懐かしんで読む”要素があったのに比べると、今回のはその時代に舞い戻って一緒に成長してきた感じ。大事件がなくても人の人生の一片ってのはこんなにキラキラしているものなのです。

余談ですが、実はちょうど今『DIVE!』を読んでいます。(今日時点では3巻まで)こちらはスポ根小説、しかも飛び込みという割とマイナーな世界を描いたもので、出てくるのは男の子ばかりなのです。ずっと男臭そうで退いてたんですけど読み出してみたらやっぱり面白いし泣ける!あくまで私の印象ですが、男の子のセリフのほうがストンと胸にストレートに響いてくるんです。ここまで熱い男達の物語を書いても嫌みにならないのってやっぱり才能だなぁと涙をこらえながら読んでいます。とにかく森絵都に心揺さぶられっぱなしのワタクシです。

そうそう、タイトルの“永遠の出口”について少し書いておきましょう。主人公の紀子は小さな頃から何かあるごとにお姉さんに「のりちゃんは○○し逃しちゃったね。もう永遠にこんなこと経験できないんだね。」みたいなことを言われて半ば強迫観念のように身の回りに見逃しがないように焦っていたんです。でも大きくなるにつれてどんどん世界は広がって、自分が経験ができないことが山のようにあることが分かってくるんですよね。それが成長って事なんだなぁとすごく納得しました。いいタイトルです。読了した今は、この1冊が静かな波紋になって広がりをみせていくのか、もしくは一挙に盛り上がってベストセラー街道を進むのか本当に楽しみなのです。
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