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| 2003/3/11 |
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『十八の夏』
著 者:光原百合 出版社:双葉社
発行日:2002年08月 本体価格:1,600円
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翻訳物が苦手です。でも、どうしても読みたいテーマの本があって、本当に数年振りくらいに挑戦していました・・が、やはり私にとっては高い山。あー、日本語で書かれた本が読みたい、読みたい〜と思っていた暁に、衝動買いしてしまった本が、この「十八の夏」でした。
私は、本を選ぶ時、現物を手に取ってから買いたいタイプなので、本が欲しくなった時は、まず、書店で'偵察'し、我が楽天ブックスで購入します。大抵は、ひとめぼれというか、相性の問題と言うか、直感で選ぶのですが、この本は行間が美しいと思って買いました。翻訳物に疲れていたのです。ホントに。
内容は、短編が4作品。いずれも、花がキーワードとなっています。私の一番のお気に入りは、「ささやかな奇跡」です。妻を亡くした「僕」と、母を亡くした息子の太郎。ぎこちない出会いにより、心を惹かれる人に出会ったものの、息子や義母にどこか引け目を感じる不器用な男性の姿が、とても愛しく感じられます。人から見れば、奥さんを亡くしたり、母を失った子どもは可哀想だと言われるのかもしれないけど(実際、いろいろな想いがあると思います)、この親子は、決してマイナスの方ばかり向いていなくて、今を生きてるという感じがしてなりません。
心惹かれる人を息子に遠まわしに紹介して、反応を探ったり、義父母の反応を探ってあれこれ考えたり・・そうだよね、ドラマみたいにかっこよくなんていかない。いろいろな柵を感じて、超えなきゃいけない山と対峙するんだよね・・なんていつのまにか、「僕」と一心同体になってしまっていました。設定が書店員、っていうのも、私の中ではキーポイントでしたが(笑)
結末は、キンモクセイがキーワード。不器用な「僕」にちょっぴり笑えて、ホッとする作品です。登場人物がそれぞれいい味を持っていて、きっと、作者の方は、人に対してやさしい視線を向けることが出来る方じゃないかな、なんて勝手に想像してしまうような作品でした。勿論、「このミステリーがすごい!」第6位にランクインした表題作、他2点もおすすめです。ハードな読書に疲れたあなたへ・・・。 |
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【楽天ブックススタッフ 陸】 |
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