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| 2003/2/3 |
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『飛蝗の農場』
著 者:ジェレミー・ドロンフィールド/越前敏弥 出版社:東京創元社
発行日:2002年03月 本体価格:1,060円
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そもそも飛蝗ってのをなんて読むのかわからなかったんですよ、お恥ずかしい話ながら。(ちなみに、バッタと読みます)年末の『このミステリーがすごい!』の海外文学1位に選ばれたので、こりゃどうしても読んでおかなきゃなと思った末ようやく今になって読了しました。私のようなことを考えてくれる人が何人もいてくれると、本屋としては助かるんですけど…正直言って海外ミステリは得意でないので、偏った意見なのかもしれません。悪しからず。が、率直な意見は「なんじゃ、こりゃ」って感じ。頑張るけどネタばれしちゃったらごめんなさい。未読の方はご注意を!
農場で女性(キャロル)が一人で暮らしているところに、身元不明の男が転がり込んできます。なぜか(ここがいまいちパリッとしないところだったんだけど)その男を銃で撃つ羽目になってしまって、慌てたキャロルは必死の看護を始める…そんなところから物語が始まるのでした。意識が戻った時、その男性は記憶喪失になっていて、そこに責任を感じたキャロルは奇妙な同居生活を始めるのです。「よくありがちな、サイコスリラーか…」と正直思わないではありませんでした。ところが、得体の知れない不安感を喚起するようなエピソードが本筋の間に入り始めます。それは、アダルト映画に顔を隠して出演した男の話だったり、双子(それもどうやら本物の双子ではないらしい)と暮らす母親の家に通う便利屋の話だったり、出てくる男の名前は違っていながら、同じ人物に追われているらしい気配が漂ってきます。それはいかに?と、こちらが気になってぐんぐん読み進めてしまったのでありました。
エンディングに様々な伏線が一挙交差するさまは見事です。でもしかし、どうもしっくり来ない思いが残るのです。最後の最後まで嘘をつきつづけていた人物が何人かいるんじゃないか?地の文や登場人物たちの話の内容に齟齬があるんじゃないか?と…それを気にし始めると、ついついページを戻って読み返してしまいます。何度読んでも楽しめること、これが良質のミステリの条件なのかもしれないな、と今は思っています。
昨年読んだ『危険な匂いのする男』とちょっと似た雰囲気がありました。未読の方はぜひともこちらも読んでみてください。しっかし、飛蝗ってタイトルになるほど重要な小道具だったかなぁ… |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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