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| 2003/2/25 |
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『トップ・レフト』
著 者:黒木亮 出版社:祥伝社
発行日:2000年11月 本体価格:1,900円
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舞台はロンドン、主人公は2人。富国銀行で国際融資を担当する今西と、米系投資銀行モルガン・ドレクスラーで同様に国際融資を担当する龍花。1億5000万ドルのトルコ向けシンジゲートローン(協調融資)をめぐる目まぐるしい戦い、そして必死の攻防。「手が後ろに回らない」ことが唯一のルールで、その中で蹴落とそうが何をしようが収益を上げていくという米系投資銀行員と、「本店の意向に従う」ことが至上命題であるという手枷・足枷の中で踏みとどまっていかなければならない日本の銀行員。手に汗握る丁々発止の競り合いの末、発行(融資)完了広告の最上段左端(トップレフト)にその名を記す主幹事銀行の座を獲得するのはどの銀行か?
物語のストーリーはそんな感じで進んでゆくのですが、一番印象に残ったのは「それは違法か?契約書に書いてあるか?」で進んでゆく米国流と「まぁまぁ、なぁなぁ」で「明日の天気は本店の意向次第」の日本流の金融機関の対比でしょうか?もちろん、私自身が銀行系金融に身を置いたことが無いのでどこまでがフィクションかノンフィクションかは読み手の判断でしょうが、どちらにしても両極端であるその企業文化(?)について、いかんともしがたい違和感・もどかしさを感じました。
その中で唯一救われたのは、とあるイギリス人バンカーの発した「マイワード・イズ・マイボンド(私の言葉が私の契り)」。口約束で取引が進行していく金融ビジネスの中で一度口に出した言葉は命をかけても守り、約束を果たす。そんな心意気、名誉を守るという意識。本を読んでいて、久しぶりに感じる「カッコイイ!」と思える言葉でした。世界中で約束を破っても罰せられない唯一の職業である政治家の皆さんにも、是非覚えていただきたい言葉かなと思いました。
でも、「結婚してくれるって言ったじゃない!!」なんていう愁嘆場になったら、この方々はどうするんでしょうね?「婚姻届にサインした覚えは無い」というのか、「まぁまぁ、なぁなぁ」でやりすごすのか、それともやっぱり「マイワード・イズ・マイボンド」で結婚しちゃうのか・・・?などと、たわいもない話をわいわいがやがや話していたら、とある既婚者の方は「それよりも、結婚する前の約束なんてみんな反故にされるんだから、結婚するときに念書を取っておくかどうかを考えておいたほうがいいよ」とボソッとお話になられました。ははぁ〜、おみそれいたしました・・・。 |
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【楽天ブックススタッフ てぃあ】 |
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