| <<前日の日記へ | 翌日の日記へ>> |
| 2003/2/20 |
 |
『ブレイブ・ストーリー(上)(下)』
著 者:宮部みゆき 出版社:角川書店
発行日:2003年03月 本体価格:1,800円
|
まだ発売前ですが、仮綴じ本を読ませていただいたので一足先に感想を…
宮部みゆきさんのゲーム好きは結構有名な話。そしてこのブレイブ・ストーリーにはそのゲームの面白さを知っている宮部さんならではの魅力的な描写が溢れています。上下各600ページを超える超大作でして、さすがに2日に分けて読んだもののまだ目がしぱしぱしています。疲れるけど、この一枚をめくらずにはいられないというこの気持ち。そう、それはもう寝不足もやむなしと必死で解いたドラクエやFFのあのドキドキとなんら変わるところはありません。
主人公はワタルという小学校5年生。ちょっといくじなしで、両親のいいなりになって育ってきた彼を両親の離婚問題が襲います。今まで決して見ることがなかった両親の一面や父親の愛人の出現に動揺し、現実を受け付けられないワタルの姿はとてつもなくリアルで、空想の世界にひたることに抵抗を覚える大人たちを自然に物語の中に引き込んでいきます。このテクニックがさすが!といったところ。ワタル自身はロール・プレイング・ゲーム大好きっ子なので、そんな現実から冒険の舞台「幻界」に入っても自分の経験則にもとづいた溶け込み方をしていきます。
この冒険の主旨は「運命を変えること」。もし運命を変えることが出来たら、お父さんは家を出ていかないだろうし、お母さんも泣いたりしない…そして平和な生活が戻ってくるのです。そのために幻界での冒険を開始したワタルでしたが、元来の人の良さも手伝って街の平和に一役買ったり、人助けをしたり…そんな彼を慕っていい仲間も出来たりして賑やかに時が進みます。いつ読んでも宮部さんが描く少年ってイキイキとした表情を持ってますね。とても好感が持てます。魔法の国の出来事ですがご都合魔法が使われないところがポイント。その分登場人物達が苦難を乗り越え成長していく姿がリアルでした。
愛も友情も別れも涙も怒りも、この上下巻にわたる物語の中にはそういった各種の感情がまんべんなく盛り込まれています。手に汗握って読み進んでいったら、下巻の中盤からは涙と鼻水を拭くティッシュが必要になってました。いやはや…
これだけの分厚い本を一気に読ませてしまう宮部さんの筆力はさすが!ついでにこれを完全ゲーム化して、再度冒険の旅をさせてもらえませんかねぇ?目を閉じるとCGで作られた美しい“幻界”の景色が瞼に浮かんでしょうがないのですよ。あ、映画でもいいなぁ。ロード・オブ・ザ・リングレベルの壮大なのを作ってもらえたらファン冥利に尽きます。そんな感じで、読了した後もこの世界から離れがたくてまだどこか夢心地なのです。 |
|
【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
|