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| 2003/10/3 |
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『デッドエンドの思い出』
著 者:よしもとばなな 出版社:文藝春秋
発行日:2003年07月 本体価格:1,143円
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久しぶりに「ゆっくり読書を楽しみたい!」と思ったときのために、買ってから読まずにとっておきました。すぐ読みたい気持ちもあったのですが、この本は「いい時間」をすごせるに違いない!と思ったのでわざわざ我慢したのです。
我慢しただけはありました。そろそろ寒くなってきて「秋だな〜」というこの時期に読むのがぴったりでした。キレイでちょっとさみしい感じ。いちょうの葉で埋まった風景の表紙の絵もまたそんな気分を盛り上げてくれます。
あとがきでばななさんは「読み返すと、人生のいちばんつらかった時期のことがまざまざとよみがえってきます。だからこそ、大切な本になりました」と書いています。哀しさとかツライ状況とかを淡々と見つめるのは、かなり精神的にキツイ作業だと思います。が…そのツライという感情に逃げずにきっちり対応していくから、キレイな作品に昇華したりするんでしょうね。小説家(芸術家)ってスバラシイ!です。
5編ある短編の中で最初の「幽霊の家」が一番印象に残りました。(【菊】さんも読書日記で書いています。)今回登場する美味しそうな食べモノはロールケーキとオムライス。最近ロールケーキがマイブームでもあったので、より嬉しくなりました。(このロールケーキ本オススメです。)そして、このお話の登場人物は人生を丁寧に生きている感じがとてもステキ。料理も、Hも(そしてそこにいたる過程も)丁寧で真面目な感じが私にはとても好感がもてるのです。そのときそのときで自分のやるべきことをやっていれば、特にじたばたしなくてもタイミングがあって、満足する人生になるんだなーと素直に思えるステキなお話なのです。
絶頂ツライ時期を乗り越えて、そろそろ普通の日常が戻ってきたかな…でもまだもうちょっとだな…という時期に読むとまた感慨深そうな本です。「切ない」という感情は、そういうときに一番感じるものだったりするのかも、と思いました。なんにせよ、季節的に秋にはぴったりの本です。ステキな読書の秋の時間をお過ごし下さい。 |
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【楽天ブックススタッフ 卯】 |
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