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| 2003/10/17 |
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『アンジュのハッピーウェディング』
著 者:カヴィータ・ダスワーニ/渡会圭子 出版社:早川書房
発行日:2003年10月 本体価格:1,500円
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若くしてお嫁にいくインドの風習(しかも相手は親が決めるんです!)に反して、運命の人を探し続けること15年のアンジュ。33歳にして結婚していないアンジュは、インドにいられなくなってニューヨークに渡ります。本書は小説の形をとっていますが、ほぼ著者の自伝なのです。母親に「アンジュ、わたしはあなたに幸せになってもらいたいんじゃないの。結婚してもらいたいの」とまで言われて、相当なプレッシャーをかけられ続ければ、そりゃ逃げたくなりますよねぇ。でもアンジュだって親を安心させたいし、喜ばせたいし、何より自分だって結婚したいと思っているんです・・・。
ニューヨークでは刺激的なファッション広告の仕事につき、セレブやブランドが大好きで実はアンジュはなにげにミーハーです。ファッションショーでジョン・トラボルタを席に案内する役目につき、ちょっと自慢に喜ばしく思ったりもします。でも男の人と軽くデートに行くことすらもためらうアンジュは、厳格なインド文化が深く身についています。白いシルクのチュニックを着たインド男性(要するに白馬の王子様)に選ばれることを夢みて・・・いるんです。
そんなアンジュが初めてのデート相手ジェフ(アメリカ男性・広告代理店勤務)に言うセリフで印象深いものがありました。ジェフの「激しい恋をしたいとは思わない?」との問いに「そもそもわたしたちの国の言葉には“恋に落ちる”という言いかたがないの。そのかわり“愛が生まれた”と表現するわ。愛情とはそういうもの」…ほほぅ、価値観が違えば言葉、表現も変わってくるわけですよね。興味深い事実です。
やはりあまりにも価値観が違ったアンジュとジェフはうまくいかず、その後もアンジュの花婿探しは続きます。いろいろ紆余曲折の末に(出会い系サイトだって経験します)どうなったかは…本を読んでからのお楽しみです。
お互い違いすぎる価値観に興味を持ってつきあっても、長くつきあう、または結婚ともなると無理がでてきますよね。結婚するなら似た価値観の人がよさそうです。先日ランチでもある女性と話したのですが、「一緒にいたい」という恋愛初期の盛り上がりはある程度落ちつくのだから、普通の状態に戻ったときに無理しないでも一緒にいれる相手が結婚相手にはいい・・・とのこと。ふむふむ。勉強になりました(笑)。自分で選べる家族は基本的に配偶者だけですからね。誰だって結婚には慎重になります。しかも家族を選ぶわけですから、自分の親や育った文化を無視するわけにもいきません。
この本で著者が一番伝えたかったメッセージは何かというと『自分を形成している部分(育った文化)を拒否しなくても、自分なりの真実を見つけることができるということ』。植えつけられた価値観を疑いもせず鵜呑みにするのは、知性がない人生でつまらないことだと思います。が、それは自国の文化(両親など)に反抗することとはまた違うのです。若いうちはそこがなかなかわからなかったりするんですけどね…。
封建的な社会に育って、運命を自分で押し広げたアンジュにはかなりのパワーを感じます。パワーが強い人って人を元気にしてくれますよね。元気と希望ををもらえるお話でした。親とのズレに(ママが特にスゴイ)笑いながらも、ちょっといろいろ考えさせられました。ファッションや宝石、インドの文化の話も多いので、特に女性にオススメしたい本です。
しかしインドのゴージャスな派手派手結婚式はスゴイです!1週間祝宴が続き、宝石と相当な数の人が集まり、映画プロデューサーが演出を担当したりするんです。一度見てみたい気もしますね。参加するにはいくら持っていけばいいのか想像もつきませんけど(笑)。 |
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