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| 2003/1/22 |
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『秘密の花園』
著 者:三浦しをん 出版社:マガジンハウス
発行日:2002年03月 本体価格:1,400円
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10年ぶりにドラマの『高校教師』が復活しました。当時高校生だった私は、テスト勉強そっちのけで夢中になってドラマに見入っていたことを覚えています。今回も全話きっちり見ようと思ってたんですが、すでに第2話を見損ないました。きっともう大事件が起こっちゃったんだろうなぁとちょっと寂しい気分です。これに触発されてか、高校時代のノスタルジーにひたる時間が最近長くなっています。(なーんて書くとまたいろいろ突っ込まれそうですけど)そんな今の心境にはぴったりのお話しでした。
登場人物は3人。那由多(なゆた)、淑子、翠(すい)という17歳の女子高生が各章で秘めごとの語り手をつとめます。相当な美貌の持ち主の那由多は、母を亡くしたばかり。幼い頃の悲劇の記憶が自分の心のどこかを壊してしまっていることを知りつつ、救いを求めてあがいています。淑子は平凡なお嬢さまというキャラクターで姿をあらわしながらも、実は教師との禁断の恋愛の真っ最中。超然とした雰囲気が魅力の翠は、これまた叶わぬ思いを抱えて毎日を送っている…と、まあなんというかある意味典型的な思春期小説というか、マンガちっくなものというか…
3人が通う高校というのが、カトリック系の女子校なので少女たちの不思議さや神秘さは否応なしに高まります。おっと男性が読むともしかして、リアリティーの欠けたものとしてとらえられるかもしれません。が、私たちもあの頃はこういう透明なようで不透明なもやもやした想いを抱えてどうにもならなくなってた気がします。那由多と翠が自己開示力に欠けるタイプで、全てを自己完結させようとするのに対して、淑子がストレートに先生を求めて行動します。彼女の想いは「愛」という包容力のあるものじゃなくて、相手の中に自分を刻み込みたいという一心なように読めるのですが、それでも私にとっては淑子が最も気になるキャラクターでした。
終幕に向けて、ある事件が起こります。エンディングは典型的なハッピーエンドではなく、大きなカタルシスに向かうのでもなく、読者にゆだねられました。この微妙なだらだら感やまったり感がこれまた心地よいものでした。しかしまぁどうして思春期ってのは、答えが出ない(出してもしょうがないような)どーでもいいことを真剣に悩んだりしがちなんでしょう?と、こんな事を思ってしまうことが年をとった証拠なんですかね…
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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