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| 2002/9/6 |
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『トム・ゴードンに恋した少女』
著 者:スティーヴン・キング/池田真紀子 出版社:新潮社
発行日:2002年08月 本体価格:1,600円
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うっかり森で迷ってしまった9歳の少女トリシア。9歳の少女にはどう考えてもキャパオーバーな試練が次々とやってきます。迷った森で蜂やら蚊に襲われ、谷に転げ落ち、自分がここにいることを誰も知らない恐怖の夜・・・さらに何かに見られている気がする・・・私なら3日間で頭がおかしくなるにちがいありません。
人が困難をのりこえるのに重要なのは「ユーモア」だと思います。ひどい状況の自分を笑えることができれば、とりあえず最悪の状況はクリア。この小説のトリシアはユーモアの才能に恵まれています。虫刺されを冷やすため腫れた顔に川の泥を塗りつける場面があるのですが、そこでTVで見た「泥パック」のギャグシーンを思い出して自分を笑う余裕があるなんて!そのほかもトリシアのユーモアはとても9歳とは思えないセンスのよさです。
そしてトリシアの持ち物のなかにウォークマンがあります。森の奥深く、人間が管理していない世界にいるトリシアのウォークマンにもラジオの電波は入るのです。自分が今までいたはずの世界と、なぜか迷い込んでしまったこの世界をつないでいるのはウォークマン。大リーグ球団中継を聞きながら、どうにか森を出ようと闘うトリシアは、憧れのピッチャー「トム・ゴードン」の幻影を見はじめます。幻影のトム・ゴードンに励まされ、トリシアは最後の最後の最後までCoolに闘います。こうやってピンチのときに助けてくれるのが本当の「ヒーロー」ですよね。私の子どものころのヒーローは妖怪人間ベムでした・・・(森で迷ったら本当に助けにきてくれそうでなかなかいいですね)
次々起こる試練に「これは私なら死んでるぞ・・・」と思いつつ、負けないトリシアを「かっこいい」と思わざるをえません。実際ラストシーンにはかなり感動し、「よし!ユーモアのセンスを磨いていこう」と妙な決意を固めました。でも本当は森で迷ったら・・・そこから動かないのがイチバンですね。 |
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【楽天ブックススタッフ 卯】 |
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