詭弁とは要するに屁理屈の事です。(と、私は思っている)辞書を引いてみたら、詭弁は「道理に合わない、言いくるめの議論。ごまかしの議論(中略)見掛け上は正しそうな、虚偽の推論。」強弁は「無理に言いわけ・主張をすること」とあります。そういった事を論理的・学問的側面から考察したのがこの詭弁論理学なのです。
表紙が格調高い中公新書なので、電車の中で読んでいるだけで何となく賢くなった気がしますが、中身は非常に読みやすい詭弁強弁の理屈。この本はいろいろなところで紹介されていたのでぜひとも読んでみたいもんだと思ってたんですが、ようやく手に入れることが出来ました。なんでも理系人間はさけて通ることの出来ないロングセラーらしいです。
余談ですが、中公新書の中には『宦官』という本があって、これまたすごい本です。高校時代世界史の先生の薦めで読んだんですが政治的側面よりも「人の欲望って凄いもんだ」と思わされたことをまざまざと思い出しました。中には詳細に書かれた「宦官の作り方」があって、男の子たちが苦悶の表情を浮かべながら読んでいたのも印象的な出来事です。
話がすっかりそれました。
そんなこんなでぼちぼち読んでいたわけですが、やっぱりこれは理系頭向きです。個人的にはより論理的な詭弁より、普段よく使う(?)強弁の話の方が面白く読めました。xとかyとかイコールという記号を見ただけで拒絶反応を示す私ですが、それでもはなから投げ出すには惜しく(買っちゃったし)、読んでいるウチにその理屈が頭になじんでくるのが面白いところです。ちょっと前に流行った数学パズル的な問題に追加して、言葉にだまされる楽しさを味わうことが出来る問題群が並んでいました。ここで問題を出してみようかとも思ったんですが、ちょっと長めの問題ばかりなので折角なので手にとって見てください。
奥付で初版を見てみたら1976年10月25日となっていました。話の端々で出てくる「最近は本当に無神経な人間が多くなった、嘆かわしい」なんて文章を読んでいると、今の時代の滅茶苦茶さに気づいたりしてそういう意味でもためになる本でした。学問としての実用性はないけれど(あったとしても多用すると友達をなくしそうです)。人が使った詭弁・強弁を学問的にとらえて分析したらとても面白そう。でも、もともとは哲学者たちが議論に負けないために、編み出した術の数々なのだそうなので、本当に由緒正しい学問のです。ネットコミュニティ等々で詭弁強弁に苦しんでいる方はぜひとも読んで欲しいですね。そういう意味では今の時代に必要な技術なのかもしれません。
※注 辞書引用は『岩波国語辞典』による |