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| 2002/6/7 |
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『オー・マイ・ガアッ!』
著 者:浅田次郎 出版社:毎日新聞社
発行日:2001年10月 本体価格:1,700円
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いやぁ、馬鹿馬鹿しい。「ご都合主義」という言葉は褒め言葉じゃないんだと思うけど、イヤになっちゃうくらいご都合主義の偶然で成り立つ小説です。でも面白い!
今回の舞台はラスベガス。運命の糸に導かれて集まり来るは、日本人とは思えないお気楽さ+バカとしかいいようのないくらいの人の良さで周囲に裏切られまくった「大前剛」。勢いで肉体以外のすべてを捨ててしまった日本人OL(今はコールガール)の「梶野理沙」32歳。それから今はただの飲んだくれになってしまったベトナム戦争の英雄「ジョン・キングスレイ」。どこか人生を投げ出しているこの3人がふとしたきっかけでスロットマシンに向かい合い、史上最高額のジャックポットを出してしまったという事から世界が動き始めます。その賞金額は5400万ドル!(って日本円にしたらいくらじゃい!)
ところがその賞金(本当はプールされているべき)を元マフィアが使い込んでしまったことでさらに問題が広がります。賞金の正当な受取人が誰になるかもなかなか決着がつかず、そこへ来てお忍び中の若い石油王(彼らが集うホテルのオーナー)にリサが惚れられちゃったりとまあ色々起きるわおきるわ…もともと『サンデー毎日』の連載小説だったということなので、読み手を惹きつけて飽きさせないだけの勢いが満載です。しかしながら、あまりに強烈なキャラクターが多いため完全に主人公が食われてました。
しかしまあ春先にやっていた【あなたが泣いた本】でも“もっとも泣ける作家”に選ばれた浅田次郎さんが、こんなお笑いを書いているなんて…『鉄道員』から入門した人はのけぞるんじゃないでしょうか?でも、こんなコメディを書いても最終的にはホロッとさせられるのです。たとえ舞台がパリであれ、ラスベガスであれ、北海道であれ浅田ワールドはコテコテの浪花節。これが魅力といえるでしょう。小説の本筋の合間には浅田さん本人を思わせるようなキャラクターが狂言回しを努めます。ラスベガスの誕生に関わる話などが飛びだして、歴史的にも非常に好奇心をそそられました。本にも書いてありますが映画の『モブスターズ』とか『バグジー』を一緒に見るのがお薦めだそうです。ラスベガスに旅行予定のある方には参考になる話も多いですよ。目指せミリオネア! |
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