| <<前日の日記へ | 翌日の日記へ>> |
| 2002/6/3 |
 |
『空のオルゴール』
著 者:中島らも 出版社:新潮社
発行日:2002年04月 本体価格:1,500円
|
うーむ…(唸ることしか出来ない)
前提から話をしましょう。その昔『ガダラの豚』という本を読みました。超能力とか、民俗学とか呪術とかそういったテーマに興味があったので手に取ったわけで、実はその時に初めて中島らもという人を知ったのです。(ふつうの小説家だと思ってた)まったく先入観を持たずに読んだその本がとにかく面白かった。文庫版だと3冊になるような超大作なのに、息つく暇もないほどはまりこんでしまって一気に読みました。「あ〜こういうのをエンターテインメント小説って言うんだー」と、当時若かった私は思ったものです。
それから約10年近くが過ぎこの3月、新潮社から送られてきた新刊案内に“中島らも”の文字を見つけます。【謎に包まれた伝説の奇術師ウーダン。その正体を暴こうとする者に、死の洗礼が待つ。】【奇術と格闘が融合した、全く新しいエンターテインメント】なんてキャッチを見せられたら誰だって、ガダラの興奮を思い出すことでしょう。で、ドキドキワクワク待つこと1ヶ月ようやく手に入った最新刊『空のオルゴール』!!
うーむ…(また唸ってみる)
一言で言うならば「適度にいい加減な小説」というやつなのです。伏線が途中で切れていたり、殺人集団が非常におとぼけな人たちの集まりだったり。もしかしてギャグで書いてるのか?と思ってしまうほど。味方は奇術師集団なのですが、戦いに奇術を使う時間もなく殺されたりして「なぜ、奇術」と思わずにはいられません。一方格闘シーンそのものには熱が入っていて(参考文献の量も大したものです)描写には引きこまれました。その瞬間のすぐ後に全裸の女性が出てきたりするのがまた謎でしたが…
面白くないわけではないのです、『ガダラの豚』を想像して読み始めると物足りなかったという事だと思います。あれを知ってしまったからには、この登場人物で枚数を3倍にして奇術師とファンダメンタリストとの戦いをもう一度書いて欲しいと願ってしまいます。贅沢でしょうか?そしてやっぱり読み終わっての一番の謎はロベール・ウーダンなのです。うーむ…(最後にもう一度唸ってみる) |
|
【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
|