先日、NHKの「未来への教室」という番組で、ディック・ブルーナが子どもたちに自分の絵本について話をしていました。ブルーナの絵はブルーナ・カラーといわれる6色のみで構成されています。ミッフィーの喜びも悲しみもすべてこのカラーで表現されています。小さな子どもにとっては地味にも思えるシックなカラーですが、それがシンプルなストーリーに奥深さを与えているのです。
番組の中で、ブルーナは子どもたちにひとつの課題を与えました。この『ミッフィーのおばあちゃん』をみんなにプレゼントするのですが、その本は最後のページが白い紙で見えないようになっています。お話をどう終わらせるか、子どもたちに考えてもらうのです。
『ミッフィーのおばあちゃん』はネガティブなイメージの「死」を題材にしていてブルーナの本の中では異色の作品です。それだけに、出版された当時はかなり話題になったそうです。(私は全然知らなかったけど)
ブルーナは沢山の本を出していますが、すべてに共通するのが「ハッピーエンド」ということです。それは少年時代にナチス占領下のオランダでユダヤ人として多くの悲惨を目にしてきたブルーナが、絵本に託した子どもたちへのメッセージなのです。生きていることのすばらしさを伝えるには、「死」を扱うことは避けて通れないことです。ブルーナの作り出すハッピーエンドは決して子どもを単純なものとして安直にまとめたものではありません。『ミッフィーのおばあちゃん』はどんな悲しみの後にも人生は続いていくことを伝えています。
少ない色や言葉でシンプルでわかりやすいものを作るというのは、そこにいきつくまでに大変な試行錯誤があるのですが、それを感じさせないものほど美しいと思うのです。ブルーナのデザインが時代を超えて国を超えて愛され続ける理由はそこにあると思います。
大好きだったおばあちゃんが死んでしまい、悲しみに暮れるミッフィー。あなたならどう終わらせますか? |