講談社ノベルス+田中芳樹=…と聞いたら『創竜伝』のシリーズがメジャーです。しかしどうやら2000年の8月に12巻を出して以来新刊が出ていないようで…始めて読んだのが高校時代だったから、このシリーズも長いというか、いつまで経っても終わらないと言うか…
それを横目に見ながら最近新作が(それなりに)元気なのがこの「薬師寺涼子」のシリーズです。彼女は警視の肩書きを持つすごい警察官で、さらには超大金持ち!なんですが、性格の方にちょびっと(?)問題があって、最強のうえ最凶という凶暴さと性格の悪さを兼ね備えています。そして、容姿はこの世の物とも思えない美貌とナイスバディ。言ってしまえば、創竜伝シリーズに出てくる小早川奈津子が容姿端麗になって公僕になった感じです。彼女には下僕のように付き従う(従わされている)部下の泉田くんという人がいて、2人がコンビを組むとなぜか常識を通り越したような化け物事件が起こるというのがストーリー。
「そんなわけないだろ!」と、突っ込みたくなる人にはあまりお薦めできませんが、自分で出来ないような大暴れを小説の中で読むのは結構爽快です。(やばいなぁストレス溜まってるのかなぁ)美貌と容姿への限りない羨望も含まれていますが。舞台になるのはそんな涼子の背景になるに相応しいバブリーなところばかりが選ばれます。今回は豪華客船クレオパトラ三世号。亡命中の独裁者絡みの事件が起こって、その犯人探し(人であることはまれなんだけどね)にいそしむメンバーたち。謎解きの要素はあまりなくて、とにかくドタバタ劇を楽しめます。
自分の退屈を紛らわすために、超大物に天誅をくらわすという善人なんだか悪人なんだかわからない人ですが、うやむやなまま消え去ってしまうワルモノが多い昨今に照らすと本当に面白く読めるのです。しかし、やっぱり女は頭と美貌なのかと思ったり思わなかったり。ま、でも頭を使いながら読む本ではないのでお読みになる際は気楽に笑いながら読んで下さい。 |