一昨年『チーズはどこへ消えた?』が売れ出したときは驚いたものでした。てっきり生き方指南書寓話集(イソップ童話みたいなもの?)だと思っていたらそれがビジネス書として売れているのだというのですから…本の薄さが魅力だったという話もありましたが「うーん、すごい時代だなぁ」と思わざるを得ません。よくしたもので、そういう柳の木の下には何匹もどじょうがいて、ネコになったり、ひまわりの種になったり…
で、満を持して扶桑社から登場したのがこれ、『ペンギンの国のクジャク』です。組織の海に浮かぶペンギンの国はペンギンスーツを着てみんな似たような姿・行動をしています。そこに存在することは成功の証だけれど、型破りな事をしていたら認められない…と、そこにペンギンたちに実力を見初められ乞われて登場したのがクジャク。その派手なパフォーマンスと美しい羽はいやがおうにも目立ち、ペンギンらしからぬものとして認識されてしまいます。ペンギンらしく振る舞わなくては評価されないのか?そんなジレンマに陥ったクジャクはどうするでしょう…?というのが本書のストーリーです。■ここからネタバレを含みます、未読の方はご注意!■
一読して驚いたのは、これがあくまでもクジャクのためのストーリーであった点でした。「絶対何かすごい手を打ってペンギン組織を変革して行くに違いない!」と思いこんでいた私の期待は軽々と裏切られ、クジャクや才能豊かな他の鳥たちは〈チャンスの国〉に移籍していってしまいます。「そりゃないでしょ。」
そうなのです、これは企業変革への物語ではなかったのです!ペンギン組織はやっぱりダメね。でもそういう組織は至るところでいまも続いているのです…という感じ。転職をお考えの方には背中を押してくれる材料になることは請け合えます。でもねぇ、やっぱりペンギン軍団にうちかって欲しかったな〜既存組織を変革して統率していくのも才能のうちですものね。
で、そんなやりとりをあたかもクジャク側の立場に立って読んでいた私でしたが、巻末の「ペンギンを見抜く方法」を読んで自分がペンギン的なセリフを言うことが増えたことに気づき愕然としました。と同時に私が尊敬する元上司のTさんがそういうセリフを言った事がないことにも気づき、もっと驚きました。本当に上司に恵まれてここまで来たんだなぁとしみじみさせられています。(そんな事に気づくために読んだ本なわけではなかったと思いますが) |