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| 2002/4/3 |
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『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』
著 者:江国香織 出版社:ホーム社(千代田区)/集英社
発行日:2002年03月 本体価格:1,300円
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最近本屋さんの店頭(それも文芸コーナー)をぶらぶらしていると、やたら江國香織さんの顔と川上弘美さんの顔が目につきます。2人の対談の多いこと多いこと…両者とも美形なので(でも個人的には飾り気のない川上さんがすき)ついつい平積みや面陳をしてしまいたくなる、小憎らしい出版社の目論見です。まだ今日の時点では中身を見ていないものの『江國香織ヴァラエティ』なんて本も出ています。
表題に『泳ぐのに…』を持ってきましたが、ほぼ同時進行で枕元には『江國香織とっておき作品集』も転がっています。さらに同時期には山本文緒の『眠れるラプンツェル』も部屋に転がっていました。こんなに恋愛小説に囲まれて過ごすなんてどうしたことかしら、と自分を見つめて苦笑いしていたらふと現実との乖離に気づいてなんだか鬱々とした気持ちに…(体調不良時に恋愛小説は良くないのかも)
『泳ぐのに…』には満たされた女性というものが出てきません。どうしようもない男と同居する女性は財布からお金を抜き取られたのに気づいて「絶対別れてやる」なんて言いながらも結局は彼の元に返っていった模様だし、不倫中の男はいつだって妻とは別れようとしないし、土壇場では絶対妻を選ぶし。それにも関わらず「男って…」と本を投げ出さないですむのは、登場する女性陣が一瞬の蜜を思う存分味わっているから。だからこそ女たちは“安全でも適切でもない”人生や恋愛をまっすぐに進むことができるのです、きっと。
「互いの体を貪る」という描写があっても、なぜか体温を感じられないのは江國作品に特有の透明感のなせるわざなんでしょうか?とにかく淡々としています。でも同時に読んでいた山本文緒さんの小説がかなりディープだったため、今回の読書的には不満は残っていません。透明度に安らぎをおぼえる読者が性描写をどう受け取るか、というのも見物かもしれませんね。このあたり、みなさんのご意見を聞いてみたいものです。
まあ何はともあれ、今回の読書で学んだことは「オンナってやっぱりしたたか」って事でしょうか。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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