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| 2002/4/17 |
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『図書室の海』
著 者:恩田陸 出版社:新潮社
発行日:2002年02月 本体価格:1,400円
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今回は恩田陸さんの短編ということで(それも相変わらずの奇想天外ぶりの設定)なんだか一晩かけてワケの分からない夢を果てなく見続けたような読後感が残りました。基本的にSF・ホラーのくくりに入るものが多かったと思います。もし、こんな夢が一晩続いたら朝になったら目の下に隈が出来てしまいそうです。
短編集とは言っても、『六番目の小夜子』の番外編が収められていたり、『麦の海に沈む果実』の水野理瀬ちゃんの幼年期の物語が出てきたり、描かれるであろう大長編の予告編があったり…という内容なので初めて恩田作品を読むという方にはちょっと辛い内容になっています。せめて先ほど挙げた2冊+『三月は深き紅の淵を』あたりを読んでからチャレンジする方が良いです。きっと。
学生が主人公になっている作品を読んでいると、通り過ぎてきた過去の日々がよけい煌めいて見えて仕方がありません。【春よ、こい】でくり返し描かれる桜の花びらの下を通り過ぎる卒業生の図などは、想像しただけでなんだか涙が出てきそうになります、これをノスタルジックと言うのでしょうか?さらに『小夜子』の番外編である【図書室の海】を読んでいると、ちょっと古めかしくも懐かしい匂いのする風格のある図書館に座って本を読んでいるような気分になりました。私にとっては全て過ぎ去った日々のこと、想いがいろいろ渦巻いて大変でした。一方、それと同じくらいのリアリズムをもって描かれているであろうOLのお話に頷くところがなかったのも、ある意味ショックでした。会社入社以来、ロッカールームでの噂話とか会議室でお弁当とか、そういうOL定番生活を送ったことがない故の悲哀でしょう。
恩田作品はストーリーを細かく追うより、どっぷりと雰囲気に身をゆだねた方がより楽しめる気がします。これが恩田ワールド。癖になるかもしれませんよ。(私もすっかりはまってしまった人です) |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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