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| 2002/3/22 |
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『ロシア幽霊軍艦事件』
著 者:島田荘司 出版社:原書房
発行日:2001年10月 本体価格:1,600円
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熱狂的なファンをもつ名探偵と聞いて誰を思い浮かべますか?(っていう特集を今度やってみようかなぁなんていまこの瞬間に思いつきました。)島田荘司さんの描く“御手洗潔”もその一翼を担う人だと言っても良いかと思います。今回の事件ではこれといったドロドロ殺人が起こるわけでもなく、準レギュラーの里美ちゃんが出てくるわけでもなく、正直「わざわざ御手洗潔を起用しなくても良かったのでは…」という疑問を感じた点もなかったわけではありません。でも終幕を読んでみると、この壮大な大風呂敷に結論を見出し読者を納得させられるのは御手洗さんしかいないなと思うに至ります。名探偵と呼ばれる人は、自分の結論と言葉で聞き手を酔わせてくれることが条件になるのかもしれませんね。
ロシアの革命時に皇女アナスタシアが生き延びていた…そして、時がたって現れた皇女アナスタシアを名乗るアナ・アンダーソンは本物なのか、偽物なのか?というのがテーマになっています。もともとアメリカにすむレオナの元にファンレターが届いた事に端を発する事件でして、箱根の富士屋ホテルに不思議な写真があることがわかります。その不思議な写真というのが、芦ノ湖に浮かぶ軍艦から軍人やロシア人が続々降りてくるというもの。山の中の芦ノ湖にどうやって来たのか?どこに行ったのか?これが幽霊軍艦事件の始まりです。
あとがきを読んでみるまで知らなかった事だらけだったのですが、偽アナスタシア事件は非常に有名な事件なのだそうで実は物語の大部分ノンフィクションだ、という事がわかります。虚偽を見分けるいろいろな証拠が出揃う中、島田荘司さんは新たに「暴力行為による脳の欠損」という点に言及しました。ミステリだから、シリーズものだから、という理由で手にとらないのはもったいない本と言っていいでしょう。私もこれのおかげでロシアの歴史に興味を感じています、今度はアナスタシアの映画でも見てみようかと思っています(ちょっと手抜き)。あ、あと、この本を読んで以来ロシア料理が食べたくて食べたくて仕方がありません。今度の週末はボルシチでも食べにいこうっと。 |
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