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| 2002/3/13 |
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『失恋』
著 者:鷺沢萠 出版社:実業之日本社
発行日:2000年09月 本体価格:1,400円
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最近この手のスタンダードな恋愛小説を読んでも感動が弱くなった気がします。それは自分にとっては非常に悲劇的(というよりもったいない)な事なのですが、まあきっと今はそういう時期なのだと思い開き直りつつページをすすめました。
タイトルが「失恋」となっているとおり、収録されている【欲望】【安い涙】【記憶】【遅刻】とも全て失恋をした人が主人公です。4作の長さはまちまちでして、半分以上を【欲望】が占めていました。ストーリー紹介をしてしまうと面白くないと思うので省きますが、このラストで描かれている男と女の微妙な距離感の違いはぐっときます。これを読んで「男ってこれだから」と思うか「女なんてこんなもの」と思うか、ぜひともご意見を聞かせていただきたいもの。私にもこういう経験がなかったわけではないけれど(でもあんな事はしてない)男と女ってこんなものなのかなぁとかいろいろ考えさせられてます。こんな事とかあんな事がなんなのか気になる人は本書をお読み下さい。
あとは好感を持つ持たないは別として【記憶】が印象的でした。医学部生の男にひたすら貢ぎ、都合のいいように使われている女性。涙を流すのではなくて「これも愛のなせるわざ」と自分の背中を押していく姿はじれったいながら、どこか共感が持てます。このオトコ、何人もの女性を渡り歩き、次のデートの場所まで今会っている女の子に送ってもらうというのですからこれまた筋金入り!しかし、彼女もいつしか自分に区切りをつけるべき局面を迎えます。でラストとなるわけなんですけど、ここで彼女がとった「絶対彼の心の中に記憶を残す方法」というのが強烈です。いや、ほんとにびっくり。
恋愛小説には切なさを求めてしまうので、愛しくて愛しくてあまりに切なくて…というものが少ないこの本は私にはちょっともの足りなかったのかもしれないなぁと思ってます。現実離れした恋愛の方が客観的に楽しめる、って事なのかもしれませんが… |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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