SFかファンタジーかなぁと思って手に取ったら著者が大沢在昌だったのでびっくり。ハードボイルドとのイメージの違いにわくわくして読み始めました。あとがきなどを読んでみてわかったことですが、これはJ−Phoneのコンテンツとして連載されていたものなのだそうです。さらに、最終章を読者からつのり、最優秀作品でエンディングを飾るという、これからの時代を切り開くような大プロジェクトをやっていたのです。(全然知らなかった…)
で、携帯のユーザーにあわせて主人公の年齢も低めになっていたりと作家としての苦労も垣間見えて面白いです。私たちがコンテンツを作るときもそうですが、対象者を想定してから組み立てをはじめます。ユーザーに阿っていると言われるかもしれません、でも読者・ユーザーに育ててもらうというのはきっとそういうことなのだと思っています。
物語は“J”と名乗る謎の人物に呼び集められた5人が集まるところから始まります。「あなたの助けが必要です」と言われてはみたものの、Jはパソコンを通じて呼びかけをするばかりで、いったい何者なのかもわかりません。しかし、Jを助けることは極めて重大な意味をもつらしく、好奇心が旺盛で人の良い5人は真相究明に乗り出すのでした…というのがストーリー。いつもの重厚なストーリー(本も厚い)になれている人間にはちょっと物足りなさものこります、SF色も弱かったかなぁと。先にも書いたように、最終章は読者の手によるものなのですが、これが意外に今までのストーリーを良く締めてまとめているなぁと感心しました。これからはこういうインタラクティブな試みが増えていくんでしょうね。楽しみです。
楽天ブックスでも、こういう試みができたら良いなあと思ってます。いずれにしても、双方向性・参加性のあるコンテンツを検討中ですのでお楽しみに。
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