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| 2002/2/8 |
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『夢の工房』
著 者:真保裕一 出版社:講談社
発行日:2001年11月 本体価格:1,500円
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真保裕一さんの初エッセイ集。普段はエッセイを手に取る機会が少ないものの、真保裕一ファンとしては読まないわけにはいかず読了。はじめて気づく真保さんの姿があちらこちらに垣間見える面白いエッセイ集でした。
真保さんといえば、そもそものデビューが江戸川乱歩賞の『連鎖』。そこから続く通称子役人シリーズと、どこかお堅いイメージがありました。著者近影などをみても、非常に線の細い神経質そうなイメージ(そこがまた良いのよね〜)があって、失敗知らずの人のような気がしていたものです。しかし、この本の中で語られる(語る)真保裕一さんは非常に愛すべきキャラクターでした。涙も流すし、怒るし、笑う(そりゃそうだって)一番強く感じたのは、自分の作品に対する思い入れ(愛?)の強さでしょうか。真保作品の特徴とも言える“ちょっと珍しい職業の人々”への取材の量と質についても、肝心な本筋の作品に注目してもらえないもどかしさがあるのだそうです。
自分の作品についての思い入れの強さについては、マスコミなどのメディアに対する批判もかなり辛口でした。『奇跡の人』のドラマが本人のあずかり知らぬところですすめられていたという件についての厳しい口調を読んでいると、文字の向こうに憤懣した顔が見えてくるようです。本人がアニメの世界に関わっていて、現場の現実を知っていたからこそ、映像化には人一倍慎重にならざるを得なかったという気持ちがくり返し語られています。そこまでこだわった本人が絡んで作られた『ホワイトアウト』の制作過程の様子も興味深かったです。
小説を読んでいるときに作家の顔が見えてくるというのは、決してほめられる事ではないのでしょう。でも、作家の顔(+想い)を知ったことで、読み方・読まれ方が変わってくるということは確実に存在することなのだと思います。たまにはエッセイもいいもんですね。
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