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| 2002/2/6 |
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『あくじゃれ瓢六』
著 者:諸田玲子 出版社:文藝春秋
発行日:2001年11月 本体価格:1,619円
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読後感は…何かに似ているんです、どうもすっきり思い出せないで気分が悪いのですが、いま手の届く範囲の記憶に基づくと、宮部みゆきの『ぼんくら』と髪結い伊三次捕物余話のシリーズを足して割った感じ。うぅやっぱりもっとぴったり似ている小説がある気がする…と、延々と悩んでいます。
瓢六というのは元は目利きの色男です。博打でつかまって牢屋にはいったものの、極めて切れ者蘭学もかじれば世にも通じているというたいそうな人です。そこに目を付けた役人が事件が起こるたびに牢屋から引きずり出して、事件解決に一役買ってもらう…というのがシリーズのストーリー。役人で瓢六とコンビを組むことになる弥左衛門がまた女に弱くて、恋愛ごとがからっきしダメ。というところが面白いところ。最初は反目しあっていた2人もいつしか言いコンビへと成長していきます。
捕物帖はいくつもあれど、このシリーズの注目すべきところは何と言っても主人公が牢屋の中にいるという事でしょう。(羊たちの沈黙みたいですね)瓢六のキャラクターも、頭が良くて切れ者だけど、仲間を思いやる気持ちが強くて弱い人たちを愛せる。という読み手の心をつかむ主人公になっています。惜しむらくはちょっと地の部分で登場人物たちの想いや感傷を書きすぎているところ。もっとしぐさや客観的な視点でそれを想わせても良かったと思います。
個人的に一番好きなキャラクターは瓢六の恋人(情婦?)お袖です。お金持ちのうえ、めっぽういい女(現役芸者だし)でさらにとびっきりの焼き餅焼きときていますので、可愛らしいのです。その焼き餅ぶりは「牢屋にいれば男ばかりだから浮気しなくてすむから」と思って納得してしまうほど。この本を読んだだけでは瓢六の博学ぶりがあまり味わえなかったし、どうしてそんな切れ者が身を落としたのかもわかりません。もちろんお袖とのなれそめも…脇を固める登場人物も魅力的な人が多いので、ぜひとも今後に期待したいところです。
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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