| <<前日の日記へ | 翌日の日記へ>> |
| 2002/2/4 |
 |
『マリア・プロジェクト』
著 者:楡周平 出版社:角川書店
発行日:2001年11月 本体価格:1,700円
|
妊娠22週目に入った胎児の卵巣には700万個もの卵子が眠っているのだそうです。そこに目を付けたのがこのプロジェクトの始まりでした。「マリア」と名前がつくだけに、人類を創造する神になった気分のマッドサイエンティストたちがあまた登場します。一番最初に目を付けられたのはさる大グループ企業の一人娘の諒子です。大学時代に身ごもってしまった子供を強制的に堕胎され、その子供を闇に葬ろうとしたために卵子が闇のルートで流れ出す事になります。
悪の巣窟、プロジェクトの本拠地はフィリピン。卵子がとられたからには、それを育てるお腹もなければならないわけですが、この悪者たちはそのための女性をスラム街から誘拐してくるというのですから、これまた驚きです。そうやって創られた子供は、裕福な家庭にもらわれていく(もちろん高額なお金で)のが基本。しかしそれだけではまだまだただの美談なのです…このプロジェクトの一番の目玉(おぞましさ)は、子供たちを臓器の固まりとみて解体(生きたまま)して移植に使うところにあります。まさしく宝の山だ!というのが悪人たちの主張です。そうはいっても、子供を創るためには時間もかかりますから、手っ取り早くスラムから子供を誘拐してきて内臓を取ってしまったりとやりたい放題。そんな悪事は許されるわけはなく、ひとりの男が立ち上がります。
SFアクションという部類に入るのかと思います。でも、今ひとつマッドサイエンティストたちのキャラが弱かったかなぁと。こういう勧善懲悪ものはやられるまでにできるだけ悪人を憎ませておかないと、後味が悪くなってしまいますね。気持ち悪いことは気持ち悪いんですがね・・・いろいろ興味のある事件や出来事がたて続きに起こっているので、テーマ的にはもの非常に興味を持てました。移植問題も、代理母問題も今後より大きな問題になりそうです。ちょうど『ドナービジネス』というノンフィクションも発売されていますので、こっちも読んでみようかなぁと思ってます。
|
|
【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
|