| <<前日の日記へ | 翌日の日記へ>> |
| 2002/12/25 |
 |
『君のいる場所』
著 者:ジミー/宝迫典子 出版社:小学館
発行日:2001年10月 本体価格:1,300円
|
時として、言葉以上に文字の空白(間といえばよいのかしら)に心をつかまれることがあります。ガブリエル・バンサンの名作『アンジュール』なんて、全く言葉がないのにあんなに訴えかけてくるものがあるのだから、見事としかいいようがありません。やっぱり絵本ってすごいです。そんなことを考えるといつもお喋りな自分を恥ずかしく思ってしまうのです。それでいて肝心なことは言い損なっちゃったりするし…
と、まあそんなことはさておき珍しく一目惚れした絵本(?)がこの本。何気なくぶらぶらしていた本屋の新刊台で目に飛び込んできた表紙に一気に心を持って行かれたのが昨年の秋のことでした。「これは売れる!いや、売らなければ!」と思った本だったのです。著者のジミーさんは台湾出身の方だそうで、現在売り出し中。絵は杉田比呂美さんのものにとてもよく似ていると思ってます。
目と鼻の先に住んでいる彼と彼女。毎日お互いの存在を知らないですれ違っていましたが、ある日公園で奇跡的な出逢いが起こります。楽しいひとときを過ごし、これが永遠のものになればよいのにと思っていた2人の間は突然の雨によって引き裂かれてしまいました。命綱のように交わしたお互いの電話番号も雨に濡れ、連絡をとることさえ出来ません。2人の時間はもう交差することがないのでしょうか…?思う相手に会えない日々はより陰鬱なものになっていきます…
この本の魅力は移ろいゆく季節の姿にあると思います。たぶん私たちもどこか似たような景色を経験していて、それがよりこの主人公たちの存在を近いものにしてくれるのです。郷愁と甘酸っぱさ、それからちょっとした希望など…それらが心の奥の方に染み渡ります。すぐにはどうにもならなくても思い続ければいつかきっと思いは叶う。ちょっと気恥ずかしいけれど、そんなことを信じてみたくなる素敵な絵本でした。ページ数が多いのでなかなか読み応えがあるところもよいです。
今日はクリスマス。あなたはどんなイヴを過ごしましたか?ちなみに私は道玄坂のイルミネーションを眺めながら、ラーメンをすすってました。これはこれで、一生忘れられないイヴの思い出になりそうな気がします。 |
|
【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
|