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| 2002/12/11 |
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『発想する会社!』
著 者:トム・ケリー /ジョナサン・リットマン 出版社:早川書房
発行日:2002年07月 本体価格:2,500円
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原題は「The Art of Innovation」、「イノベーションの技法」です。「アート」というと日本語では「芸術」と思ってしまいがちですが、「art」には「技術、技巧」の意味もあります。全然別の本で『The Art of …』という本があって、こちらは「芸術」と訳されていました。内容的にはやっぱり「技巧」とか「テクニック」の意味じゃないのかなとずっと私は思っていたのですが、本書が「技法」と訳してあったのを見て、ますますその意を強くしました。もっとも「芸術」と訳したほうが売りやすそうな内容だったので、そんな意図で訳したのかなと今は思っています。
という枕が書きたいがためにこの本を取り上げたかった気持ちがなかったわけではありません。いや、正直に言いましょう。これだけは書きたかったのです(きっぱり)。それはさておき、実際本書の内容はとても刺激的で、「クリエイティブであること」について深く考えさせられます。
改めて読み返すと、ぱらぱらとどこを開いても、こんな環境で仕事できたら楽しいだろうなとわくわくするような示唆にあふれています。そんな中で、印象深かったのを一つ挙げるとすると、チームの働き方について書いた「クールな企業にはホットなグループが必要だ」という章です。章の冒頭に、「チームはIDEOメソッドの心臓である」と書かれていたので、私がチームについて強い印象を受けたのも、まんざら的外れではないのでしょう。
プロジェクトチームが一つできるたびにチームでTシャツを作るので、ベテラン社員は、Tシャツを誰でも2、30枚持っているとか。サークルで作るTシャツみたいですが、なんだかんだ言って一体感を高める効果があるのは確かだと思うのです。もちろんただ作るだけでなく、プロジェクトを表すようなものにしたり、デザインにもとことんこだわったり、その遊び心が、開放的な精神と「クリエイティビティ」の源なのですね。もっとも、Tシャツは私がふと思い出したほんの一例であって、これだけで判断しないでください。「Tシャツ作りか」の言葉でまとめるのはあまりに矮小化し過ぎであり、そのココロを理解しなくては意味がありません。それに、もっともっと多岐にわたるノウハウがこの本では紹介されているのです。
人を「やる気」にさせ続ける力はなんだろう、と思います。IDEOという会社には優秀な人が集まっているのでしょうが、その人たちの情熱をわき立たせるための環境づくりには何が必要なのか。管理されてやらされるのではなく、「自分のもの」だと思える当事者意識、そこから生まれる熱意、それがあってこそだと、私は思います。組織が大きいほど当事者意識は持ちにくいんだよという言い訳はあるでしょう。でも、ブレインストーミングのやり方一つとっても、「IDEOメソッド」ではどうなのか、何か変えていけるヒントがこの本には詰まっています。 |
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【楽天スタッフ 笑】 |
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