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| 2002/10/9 |
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『誰そ彼れ心中』
著 者:諸田玲子 出版社:新潮社
発行日:1999年02月 本体価格:1,700円
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ある日突然、自分の夫が変わった。この人はいったい誰なの?
ってそんなハリウッド映画ありませんでしたっけ?そんな設定が江戸の時代に移って展開されたのがこちらの小説です。時代小説を読んだ知識の中からだけながら、旗本の嫁というのは大変な束縛の中で生きているイメージがあります。現代では考えられないような“イエ”の重要性の中で、あるところでは目をつむり我慢して夫に従って生きていく…ここに出てくる妻・瑞枝もそんな人でした。
そもそも恋愛なんて感情を知らないままに結婚して、でも穏やかな亭主をそれなりに想って生きてきたのに、どうやら別人に変わってしまったらしい。疑念を抱く妻は同じ疑念を抱く家来の小十郎と共に真実を調べ始めるのですが、同時に小十郎に対する思いも日に日に募っていくのでした。道ならぬ恋を描くだけでなく、サスペンス色の強い時代小説でスピード感たっぷりに読むことが出来ます。
本編からはちょっと逸れるところですが、祝言の決まった妹が相手を思う気持ちを聞いて「恋とはこういうものなのだ」と瑞枝が自らの恋心を振り返る場面が好きです。といって、おちた許されぬ恋が運命の恋なのかは読み手としてはあんまり納得できません。どちらかというと情熱に引きずられた感があるのかなぁと思ってみたり、そうはいっても恋ってそういうものだろうと思ってみたり。よくある話ではありましたが、結構いろいろ考えさせられました。全体的には登場人物が淡々としていた印象を持ちました。焦っている表情が見えるのは瑞枝と小十郎だけ、もちろんクライマックス部分ではそれなりの人がそれなりの本性を見せるわけですが…もっともっと敵のエキセントリックさを垣間見せたらミステリ色が強くなって面白かったかもしれませんね。
「利家とまつ」を見ていると妻たちが大活躍していますが、ああいうことも実際にあったんですかね?時代によって家のカタチや夫婦のカタチはどれくらい変わってきたのかということに興味がわいてきました。(そんな総論より、自分の将来ビジョンを考えろって感じですが…)そういうことがよくわかる簡単な本知りませんか? |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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