うろ覚えな記憶で申し訳ないんですけど、本の雑誌などで定評のあった本でした。文庫になったのを機に読んだわけです。ハリー・ポッターのあとに読むと軽い本って良いなぁと文庫の便利さをしみじみ感じます。それはさておき、とにかくあんまりにも腹が立ったので勢いにまかせてネタばれをしてしまうかもしれません。いずれにしても佐藤正午さんの作品は先入観を持たずに読んだ方が良いと思うので、未読の方はこの読書日記を読まない方がいいですよ。
何に腹が立ったって、この男。三谷純之輔。とにかく優柔不断っていうかいい加減というか、自己中心的というか(読み終わってから怒りが増幅されてるな)彼の前からある夜恋人が失踪するところから物語が始まるわけなんですが、それに気づいた時彼はそれほど迷わず出張に旅立つことを選ぶんです。まあしょうがないといえばしょうがないんですけど、恋人ってそういうものか!?と思わずにはいられません。それ以降始まる恋人探しもなんとなく自分への言い訳がましい色が濃くて、失踪者探しのハラハラという点にはぜんぜん感情移入できませんでした。
冒頭部分彼女である三雲みはるは、彼の食べるリンゴをコンビニに買いに行ってそのまま失踪してしまいます。登場人物のなかでは割と好感を抱いて読み進めていた人物でしたが、これもまた時間が進むにつれ顔と人物像が揺らいできました。やっぱりいくらなんだって、突然消えるのはなしだよなと思うわけですよ。
小説のテーマは「自分で自分の人生を選び取ったという実感はありますか?」という事なのですが、結局この中で自分の人生を選びとった人は誰だったんだろうと今考えさせられてます。特に相手のある恋愛とか結婚とかそういう部分の岐路だと余計悩ましいですね。私の結論だと、この小説の中では中盤からいきなり姿を現してきたあの人が一番積極的に人生を選びとったんじゃないかと睨んでいます。
もう今回はこの小説の伏線のはり方がどうだとか、文章の艶がどうだとかそんな読み方は出来ません。とにかく自分の事のように受け止め、憤慨し続けた読書時間でした。(私も若いなぁ…)しかし、かなりのスピードで読み終わった事から考えると、ストーリー展開のリズムと面白さは保証してもいいんじゃないでしょうか?いずれにしてもこの恋愛模様については恋愛の大家の【笑】さんとかに語ってもらいたいところです。
【教訓】自分が大切に思った人は、変なプライドなんか捨てて自分の手でぎゅっと握ってなきゃいけませんね。 |