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| 2002/10/3 |
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『肩胛骨は翼のなごり』
著 者:デイヴィッド・アーモンド/山田順子 出版社:東京創元社
発行日:2000年09月 本体価格:1,450円
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「肩胛骨は人間が天使だった時のなごりなんだ。」というフレーズがとにかく気に入りました。大人になってしばらく経って随分すれた人間になってしまったことを再認識している昨今(自分で認めるのはしゃくなんですけどね)純粋だった幼い頃の気持ちを思い出させてくれる良い作品でした。先日トップページでもってご紹介したとおり、あの宮崎駿監督もオススメしてくれています。監督のおっしゃるとおり、妙にねじれたところのないストレートな描写がすーっと心にとけ込んできます。
主人公はマイケルといってサッカー好きの少年です。転校はしないながらも、新しい家に引っ越して妹も生まれて、明るい時期のはずが赤ちゃんの体には生命を危ぶむ病魔が宿っていました。家にある壊れそうなガレージ(親には入ることをきつく止められていた)に忍び込んだ彼は、そこでまるでリウマチ患者のホームレスのような奇妙な人物に出会います。仲良くなった隣家のミナとマイケルとは感受性豊かな思春期に彼から多くのことを学んでいく…そんなお話です。
このガレージの奇妙な生き物は、子どもの素直な心がなかったらきっと接点はなく終わることだったでしょう。それだけにまっすぐな心と、様々な可能性を持つ幼年期って大事だしすごいなと思わされます。この話はいわゆるジュヴナイル小説といわれるジャンルの本なので、イギリスの児童文学賞であるカーネギー賞を受賞しています。でも幼い頃に読んでも、こんな感傷に満ちた思いは抱けなかった事でしょう。その一方で、10余年前に読んでいたら、もっと瑞々しい感性が他のものを感じさせてくれたのかもしれません。こういう本を読むと必ずそれを感じます。
最近疲労がとれなくて、ストレスも溜まりっぱなしだなぁと思っていました。そんな時これを読んでみて、自分の体がちょびっと浄化されたようなそんな気分になっています。本の中で垣間見た天使効果なのかもしれません。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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