| <<前日の日記へ | 翌日の日記へ>> |
| 2002/1/4 |
 |
『13階段』
著 者:高野和明 出版社:講談社
発行日:2001/08 本体価格:1,600円
|
あけましておめでとうございます。今年も読書日記コーナーの始まりです。ささやかなコーナーではありますが、スタッフの読み手としての率直な感想を感じていただければ幸いです。
さて今年1冊目、元旦に読んだ本はこの『13階段』
言葉があるなら“読み初め”とでも言いましょうか(笑)2001年の江戸川乱歩賞受賞作です。物語は東京拘置所の死刑囚舎房から幕を開けます。独房の前で立ち止まる足音におびえパニックを起こす死刑囚たちは日々死の影を前に絶望にとらわれつつ、一抹の希望をまさぐっています。そのうちの一人、樹原がこの主人公。彼は強盗殺人の罪を申し渡されてはいるものの、事件当時の記憶がないため冤罪の恐れがありました。その、冤罪を晴らすべく喧嘩で人を殺して仮釈放中の三上と元刑務官の南郷が高額報償と短い期限で動き始めます。
この小説の謎は樹原が事件を起こしたかどうかにとどまりません。当初予測していたよりもはるかに真相は入り組んでいました、そして驚異的なほど意外な展開。文句なしに面白かった!正月早々にこの本に会えたということは、今年一年はかなり幸先のよいスタートを切った気がします。
リミットの3カ月を刻一刻と時間で追ったりはしていないのですが、並行して検察庁や法務省で進められる死刑執行への一歩一歩の歩みに緊迫感が煽られました。また、この小説はエンタテインメント小説として優れた要素を保ちつつ、極めて重い死刑というテーマも持っています。多少ながら死刑制度や刑罰の正当化について勉強をしたことがありましたが、これほどまでに臨場感を持って捉えられた事はありません。ミステリとしての謎解きがすすみ霧が晴れていく一方で、国家が抱える大きな問題が重く心にのしかかるようになりました。
年末の朝日新聞の読書特集で川上弘美さんが「一年前はこれらの本は世に出ていなかった、出会いを感謝したい・・」というようなことをおっしゃっていました。非常に良い言葉だなぁと感動しつつ、この一年間でまたいい本がどんどん生み出されることを私も心待ちにしたいと思います。そんな“いい本”たちをお客様に紹介し、お届けしていくこともさらに頑張っていきますので、今年も楽天ブックスをよろしくお願いいたします! |
|
【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
|