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| 2002/1/21 |
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『陰陽師(おんみょうじ)(龍笛ノ巻)』
著 者:夢枕獏 出版社:文藝春秋
発行日:2002/01 本体価格:1,286円
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昨年大いに巷を賑わせた『陰陽師』シリーズ新刊です。何が有り難いかって、原作は文庫・単行本問わず売れるし、岡野玲子さんのコミックも全巻好調に売れていく。映画になれば写真集はもちろんのこと野村萬斎さんの人気にも火がついて売れていきます。さらに珍しいことに関連書籍もよく売れました。あまりの好調ぶりと品薄ぶりに涙が止まらなかったことを昨日のことのように思い出しました。(ぐすん)
さて、今回も安倍晴明と源博雅が魑魅魍魎相手に活躍します。今回は芦屋道満の出番も多くて、晴明とのひょうひょうとしたやりとりがより楽しめました。オカルティズムと片づけてしまうにはあまりに美しい背景描写は健在。平安の静寂な闇の中に月の光に照らされて博雅の笛の音が流れていくという景色はシリーズ全編を通じて好きな場面です。
いつものように冒頭か終盤は晴明と博雅がほろほろと酒を飲み交わすんですが、静まりかえった中で式神の密虫に酒をついでもらい(もしくは手酌で)不思議について、人の心に棲む鬼について語り合う二人の姿にちょっと憧れます。今回は鮎を肴に食べるシーンがあって、そこを読んだら鮎が食べたくて食べたくて・・・そんなところばかりに目がいってしまう私は酒呑みの証拠でしょうか(苦笑)
どこか人を食ったところのある晴明ですが、虫めづる姫の話では人に対する意見を言ったりもしますし、師匠の息子さんに仕事を押しつけられたりとちょっと人間くささも感じられました。お祓いをする方の登場人物が増えていますので、その分博雅の影が薄かったかなぁという感もあります。悪霊に肉を食いちぎられたり、首が飛んだりと絵的には極めてグロテスクなのに静かな小説というのも不思議なものですね。夢枕獏さんが映画で晴明を演じた野村萬斎さんを絶賛しているので、今更ながら映画を見てみたくなってます。
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