むかしは人間30年も生きれば、小さいことで悩んだり、他人の目が気になったりするようなこともなくなり、すっかり精神的な安定を得られるものと思っていました。ところがどっこい、30代になってみて、精神的な安定どころかはるか年下にまで説教されるほど気分屋な性格はさらに拍車がかかっているような気さえします。このままいくと、社会に適応できなくなり、40代にはグレ始めているかもしれません。
世間的に10代、20代の悩みというとどんなくだらないものでも美化しやすくて文学的なにおいがしますが、30代の悩みとなると、つまんなそうだし、大人なんだから自分で解決しなよで終わってしまう風潮があるような気がしませんか。今回、ブリジット・ジョーンズを読んで、「あーあ、これだからうちら、美化されないんだよ、ブリジット。」と思ってしまいました。
ブリジット・ジョーンズは30代、会社勤務、結婚暦なし。3.1キロ体重を減らし、タバコをやめ、精神的な安定をはかりさえすれば、悩みは全て解決すると信じている。でもなかなかこれがままならず、精神的な弱さからすぐに暴飲暴食やタバコに走ってしまう。およそ文学的とはいいがたい悩みの数々。でも恋をして有頂天になったと思ったら奈落の底につきおとされたり、よき妻、よき母だった母親の突然の家出、キャリアへの目覚めなど、実際にあったらけっこうドラマチックなのだけど、全てが「あーもうなんでこうなるの!」みたいな調子であんまり掘り下げて考えないので、読んでるほうも「あらら」で通り過ぎてしまいます。そう、30代になると、こういうノリでないとなかなか世の中に受け入れてもらえないのです。
余談ですが公開中の映画「ブリジット・ジョーンズの日記」は、夏休みの旅行中、スウェーデンのゴットランド島からストックホルムに帰る船の映画館で見ました。ブリジット役のレニー・ゼルウィガー(トホホな表情が印象的)も魅力的だし、なんといってもヒュー・グラントがはまり役。「ノッティングヒルの恋人」の誠実さはウソ臭かったけど、こっちは本物だと思いました。字幕がやけに多いなと思ったらスウェーデン語とフィンランド語のダブル字幕だったようです。日本人をおちょくった会話があって、立場的に気まずい瞬間もありましたがアメリカの映画館で「パールハーバー」見るよりはずっとマシです。 |