皆さんは「デジャ・ヴ」っていう言葉を知っていますか。訳語を当てるなら「既視感」といいます。毎日を過ごしている中で、「あれ、こんなこと前にもあったような気がする」、「この場所、来たことないのに知っているな。」と思う瞬間って体験したことしたことありませんか?それが「デジャ・ヴ」です。なぜそんなことがおこるのかといえば、海馬がどうとかという科学的解釈もあるらしいのですが、人を魅了せずに入られない一説として、こういう解釈も信じられています。それは前世での記憶が蘇った瞬間なのだということです。この小説のストーリーはそんなことから始まります。
テレビにうつったもうすぐダムに沈むという村を主人公の矢崎武志はなぜか、知っていた。家族では一度もいったことがない場所だった。でも、彼は確信していた、自分はここを知っているとー。次々とよみがえる彼の前世の記憶、そして運命の人がいたことを思い出したとき、現代の世界にいる生まれ変わった運命の人と再びめぐり逢う…。
簡単に言えば、こういうストーリーでした。私は以前から、村山由佳という人の作品を読んでみたいなと思っていたので、これはついに手に取った一冊という感じでした。村山由佳を意識したのは、私が高校生のころ、少年ジャンプを読んでいたとき、集英社文庫として、何度も何度もその名を見かけていたからで、いつも、作品名がなんか綺麗で、想像を掻き立てるな・・・と思ってちょっとごひいきでした。。村山由佳作品はこの本以外読んでいないのですが、男性の友人の一人は一番好きな本として、彼女の「天使の卵」を挙げていました。きっとそれもすばらしい作品なのでしょう。その書評などにはみずみずしい純愛ストーリーだと書いてあった記憶があります。
「もう一度、デジャ・ヴ」は、印象的には少年マンガにありそうなストーリーだなという感じが一番しました。少年マンガの好きな私としては、割と好きな話の展開だったと言えます。文章はとても読みやすく、一気に読んだにもかかわらずまったく飽きさせることなく、登場人物の気持ちがよく伝わって、臨場感を感じる文章でした。小説というよりは、もっと映像を読むような感じで、読後には、もう読み終わっちゃったんですけど・・・、頼むから続き作って・・・と思ったりしました。村山由佳の文章を読んで、こういう文を「みずみずしい」というのだなと改めて日本語の一つを悟りました。
たまには重いのとか、複雑な解釈の本じゃなくて、分かりやすいピュアな本が読んでみたいと思う人にはまず、確実におすすめです。 |