最近、陰陽師人気で市民権を得た感のある式神や、何かと話題の風水ですが、私が初めてその存在を知ったのが、この帝都物語です。帝都東京に平将門の怨霊を蘇らせ、東京壊滅を目論む怪人・加藤保憲。妖術を使って関東大震災を引き起こす加藤に対し、二・二六事件、太平洋戦争、安保闘争…、明治・大正・昭和の激動の歴史の中で、幸田露伴・渋沢栄一・三島由紀夫等の実在の人物が登場し、激しい戦いを繰り広げていきます。
私が読んだのは学生時代ですが、読むたびに続きが気になり、次巻を買いに、1日に3回本屋に走り、3回目は面倒なので、残りをまとめて買いました。(当時は10巻セットで、また本編以外にも外伝的な作品も2巻出ていました。今は6巻セットで出ています)とにかく面白く、高校時代に読んでいれば、苦手だった明治以降の日本史が好きになったかも、と思ってしまいます。
こんな面白い本を書いた、作者の荒俣宏氏ですが、おそらくこれがきっかけとなり、最近テレビでもおなじみの顔になりました。ちなみに、荒俣氏は350万部もの大ベストセラーとなった帝都物語の印税1億5000万円を博物図鑑を買い集めて全部使ってしまった、という、加藤に負けない怪人ぶりを発揮しています。
また、帝都物語は映画にもなっています。映画化にあたっては、主役の加藤保憲を誰が演じるか、とファンの間で話題になりましたが、結果的に、嶋田久作の加藤保憲がみごとなまでのハマリ役で、ファンが安心した、という話が残っていますが、もっとも、肝心の映画の出来はあまりオススメできない内容なので、映画はみたけどイマイチだった、と感じた人は、ぜひ原作を読むことをおすすめします。 |