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| 2001/6/7 |
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『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』
著 者:ナンシー関 出版社:カタログハウス
発行日:2000/02 本体価格:1,260円
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例えばあなたは今すぐに「ペコちゃん」を描いてみてと言われたら、完璧に描けるでしょうか。人の記憶というものの儚さを思い知らされる本、それがこの『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』です。ウケねらいとは違い、必死に「似せよう」と描いたものほど味わい深くて、後味のいい笑いが生まれます。年齢、性別、社会的地位に関わらずこういう絵は人の一番無邪気な部分が出るものらしく、まぬけな絵ほど「きっとこの人、いい人なんだろうな」と思わせる何かがあります。お題が「ランドセル」だっていうのに背負ってる目つきの悪いおっさん顔の小学生に必要以上に力が入っていたり、「パンダ」がどう見ても覆面レスラーだったり、「サンタクロース」が絶対に部屋にしのびこんでほしくないタイプだったりとつっこみポイントには事欠きません。
もともと通販カタログ誌「通販生活」の1コーナーだったそうで、掲載されているの方の年齢層も比較的高めで、本来真面目な人が多いようです。ナンシー関の解説を読むとどうやらお孫さんや職場の部下にだまされて描いてみたものもあって、自分があの時適当に描いた「こいのぼり」や「ランドセル」なんかが公衆の面前にさらされているとは知らない人もいるそうです。ひどい話です。
実はこの本は今友達に貸していて、この文章も記憶で書いています。確か県別に掲載度の高い低いが色分けされた分布図があって、四国地方など、掲載度が低い県はナンシーさんから猛省を促されていました。そのほかにも年齢によって線の描き方がどう変化するか、なぜ「絵を描いて」と言われると一目散に逃げ出す人がいるのかなどについて様々な考察がされていて、単に笑えるだけでなく、貴重な文化人類学的な資料とも言えるでしょう。
この本を購入してから、スタッフの間で記憶スケッチ大会が密かに流行っています。私も先日「妖怪人間ベム・ベラ・ベロ」にチャレンジしましたが、ただの悪人面の3人組になってしまいました。他の人もなぜか「ヤンキー3人組」になってしまったりして、非常にぶざまでした。 |
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【楽天ブックススタッフ 真】 |
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